玄関ホールを生活空間の一部とするためのあれこれ

家の間取りを考える時、廊下を通ってそれぞれの部屋につながることを前提にするのはやめましょう、とよく言われています。「廊下」が本当に必要なのか、無駄な空間になっていないかを一度考えましょう、ということですね。リビングを通って各部屋につながるような配置、間取りができるようであれば、廊下は無くてもいい。

では玄関や玄関ホールはどうするのか。靴を脱がない生活をするならまだしも、下足を脱ぐ場所としての玄関はどうしても無くせません。靴を収納するスペースも玄関廻りに必要です。玄関ホールは小さくても無くせない場所になります。

コネクトでは廊下は極力なくす一方で、玄関ホールは広く確保します。なぜなら、玄関ホールを帰宅時の通過動線とだけ考えず、いろいろな使い方ができる場所にしているからです。様々な事例を紹介してみましょう。

墨モルタルで仕上げたこの玄関は、京都の長屋のように細長く、部屋と並行して配置されています。奥に見えるのが玄関扉で、実は反対側には庭に出るためのもう一つの出入り口があります。まさに長屋の通り土間と同じです。

雨の日には自転車を入れ、雨合羽をいくつかけても大丈夫。リビングからよく見えるように、建具はガラスの框扉とし、横には腰窓を設けています。玄関扉を開けてもリビングまでは見渡せないので、夜も天井の裸電球を灯すことで、リビングの一部として玄関までの広がりを感じられる仕上がりです。

しっとりとした和の雰囲気のあるこちらの玄関は点前右手にある白い4枚引き戸によってリビングとつながっています。つまり、全開放すればこのように玄関がリビングの一部としてつながります。玄関扉は正面右手にあるので、こちらも来客にリビングまでは見通せません。

また写真では少しわかりにくいですが、正面のスポットライトが当たっているところは、自窓から上部の壁までが出窓のようになっています。地窓上枠には奥行に納まるように木製のカウンターが設けられ、わずか12センチ程度ですが、ここを床の間として飾り付けができるようにしてあります。出窓上部にはハンガーレールが付けられ、季節の軸飾りができます。カウンターには一輪挿しからちょっとした花飾りや、置物を置くのもかわいいですね。

こちらの玄関は少し変わった施主の要望から生まれた通り抜け玄関。墨モルタルの玄関の手前側がリビング、そして奥側がダイニングになっています。来客をにはお茶を出したり、お話ししたりするので、基本的にはダイニングにお通しする。反対にリビングは家族だけのスペースと割り切っているので、あえて2つに分割しています。玄関はその間に挟まれるように配置しています。実際の生活では、土間の濡れている部分にスノコが置かれて、家族の行き来もできるような場所です。

写真では扉が収納されていますが、床にレールがある場所に扉があり、玄関とリビング、玄関とダイニング、それぞれを仕切ることができます。真冬や真夏でない限り、通常は開放してお使いいただいている、そんな玄関です。

 

このように、くつぬぎの場所だけではない使い方ができると、玄関が魅力的な場所として生活と寄り添った場所にすることができます。皆さんも工夫されてみてください。