リビングにこそ手の届く範囲に収納スペースが必要です

収納上手、お掃除上手と言われてみたい、そう思う人は多いはず。家に来た客が、綺麗だとか、片付いている、という印象を持つか持たないかは、ほぼ第一印象で決まります。初対面の人と人との出会いの時に顔や服などで、その人の内面の印象までが判断されることが多いのと一緒で、住まいの場合は実際に整理整頓されているかどうか、清掃が行き届いているかどうかではなく、家の主要な部屋、ここではリビングとしておきましょう、そういった部屋に入ったときに目に入る印象が大事になります。

ソファの周り、机の上にモノがあるかないか。キャビネットや収納棚に収まらないモノが近くに置かれていないか。といったところをどうしても見てしまうのです。

個室や洗面といったところは扉を閉めてしまえば見えません。たとえ机の周りに書類が山積みになっていて、マウスの動くところにしかテーブルトップが見えないとしても、それは来客の第一印象には影響しないのです。

そう考えると玄関、リビング、ダイニングといった来客が入ってきそうな場所を集中的に片づければ体裁が整うというもの。

リビングの場合、〇〇畳の広さがある、外に対して開放的な大きなガラスがある、といったことを先に考えてしまって、建築家であっても計画の初期段階では収納スペースを設けることをおろそかにしがちです。しかし考えてみてください。テレビ・エアコンのリモコン、室内で犬を飼っていれば犬用のおもちゃ、毎日届く新聞、読みかけの雑誌、家族で共有して使っているハンディライト、充電池、ごみ取りのコロコロ、旅先で買ってきた置物、などなど個人のものではない、家族共有のものは生活が長くなればそれだけ増えていくもの。

テレビを壁にかけることができるようになって、スペースが省略できたところで、一向にモノは減りません。スマホでデジタルな情報を摂取できることが便利になる一方で、心休まる休息の時間には鉢植えの緑やレコードプレーヤ、リアルな本、といったものに囲まれた生活が求められるようになるでしょう。

収納スペースを考える場合、大事なのは奥行きです。本が多いのであれば15~20センチ。〇〇であれば30センチ。実はそれほど深い必要はなく、浅くてもよいので、横幅を長く、背を高く置く場所を確保すれば、かなりの量を収めることができます。

写真の事例は、キッチン側に朱色のテレビ台を兼ねた収納ブースのようなものを造作した事例です。天井が高いことから、エアコンも収納棚に組み込んで一体化しています。

 

リビングを美しく使いたいのであれば、しっかりと考えた収納スペースを設けることをお勧めします。