前回のブログでお話しした都内の友人が来訪する話には続きがあります。山梨に来るにあたって、宿泊先をネットで探してくれ、予約してくれたのがゲストハウス璃洛(りらく)。気軽に集まりたいからコスパ重視で、素泊まりで予約しておきました、と聞いて正直全く期待していませんでした。場所は事務所の近くの石和温泉。料理好きなメンバーがいて、近くにワイナリーもあり、夜は買い出しして部屋飲みかな、と考えていました。ところが、ホームページを拝見すると、館内に源泉かけ流しの温泉が3ヶ所。アプローチが和風旅館のようにしっとり感がある。宿泊室以外にキッチンや広間などの共有スペースがしっかりあることが判明。
さらに驚いたことに、共有スペースの一角にお茶室まであるらしい。写真を見て、これは茶道稽古人として、お茶を一服差し上げねばという気持ちがふつふつと沸いてきました。友人らがお茶のことなど何もわからなくとも、同じ建築学科出身であれば、空間としての茶室を楽しむことはできるであろう、とも考えました。


まだ自前の茶道具をひと揃え持っているわけでもないので、薄茶一服と和菓子をお出しするために、現地にないものを前もって見ておこうと、璃洛に事前視察に行ってみました。
エントランス脇の屋内に小庇付きの茶室があり、廊下から小さな石庭に降り、つくばい、躙り口がある。内部は3畳台目、床の間、水屋がある。水屋にはかなり充実した道具も並んでいました。茶巾を持っていけば何とかなりそう。
調べて分かったのが、表千家の代表的な茶室・不審庵の写し。不審庵に入ったことはないので、調べた範囲ですが、茶道口が脇入りになっている点が違いますが、床柱・違い棚・天井・給仕口などは正確に写されていると思います。私が習っているのが表千家なので、偶然の出会いに感謝でした。
申し訳ないけど季節や会のテーマに合った道具の選定、といったことを今回は抜きにさせてもらいました。夜の宴の準備を考えると、当日は準備片付けを含めて1時間。
当日は茶杓が無いことが判明して仕方なくスプーンで代用したり、電気釜のコンセントが点前付近になく遠くから引廻すことになったりと、小さなハプニングはありましたが、メンバーは作法など分からなくても、空間も薄茶も楽しんでいただいた様子。おかわりが続き、会話も弾みました。

スタッフに茶室のことを聞いても作られた経緯などはわからず、茶室としての活用もしたことがないくらいの返答でした。蹲の水の出し方がわからず、炉畳の下地が入っていないのか畳が凹んでいたりと、少しもったいない。宿泊者は無料で利用できるので、遠方から来る方をもてなすにはとても良い施設だと思います。