解体整地完了


朝霞の家では、解体工事が完了しました。
建物の配置がもともとの家と大きくかぶっていたので、解体完了後に地盤調査をする予定です。
地盤調査は、工務店の瑕疵担保責任保険の要請により、建物四隅と中央の計5カ所に必要です。小さな建物だと、そんなに箇所数が必要?と感じてしまいますが、ここではちょうどいい数です。
工務店の見積もり調整、確認申請の協議と図面作成、地盤調査の手配、大きなサイズの模型づくりと、クライアントとの打ち合わせ回数は減りますが、設計完了後から建物着工までの期間は、言わば下地がため作業をしています。
晴れて地鎮祭が迎えられるよう、諸処奮闘中です!

庭にあるものはどこまで残しますか


工務店の見積もりに入る前に、既存建物の解体範囲を打ち合わせしました。
住宅部分は単純に壊すだけですが、塀、植栽といった外構部分は、隣地との境界だったり、思い出のある木だったりと、残すべきものも多いのです。
ひとつひとつ現地にて確認をしていきました。

ステンレス天板のキッチン ヘアラインではなくバフ仕上げ

ステンレス天板のキッチン、というとどこか安っぽいと思っていませんか。
賃貸の家のキッチン、ローコスト、といったイメージで語られることが多いですよね。
略称ジンダイ、人工大理石であれば白や黒の天板、大理石の雰囲気を出せるので、
オープンキッチンや、明るさを求める方には人工大理石が定番になってきました。
一方でステンレスの天板は、耐久性や使い勝手の上では
人工大理石より優れているのは間違いありません。
人工大理石は樹脂、ステンレスは金属なのですから当然です。
それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家のキッチンはダイニング側からは全く見えず、
独立した台所エリアに壁付けされる配置なので、
設計者としては天板の種類はどんなものでも良いと考えていました。
それでも施主は安っぽいイメージがあるから、
とステンレスは検討の範疇から除外していました。
そこで、施主と一緒に武蔵小金井にあるヤジマのキッチンショールームへ。
ヤジマさんではステンレスのバフ仕上げを
リーズナブルな価格で提供していると聞いたからです。
一般的なステンレスの表面は、ヘアライン仕上げ。
鏡のような鏡面仕上げもありますが、すぐに細かいキズがついてしまうので、
一つの向きに、直線的に細かなキズをつけたのがヘアラインです。
一方バフ仕上げとは、全方向に向かって細かいキズを入れてあるので、
写真にあるように、一見するとマットな質感。
それでいて、天井の照明などが写り込むとぼんやり反射する、という
金属でありながら落ち着いた雰囲気を持つ仕上げです。
ヘアラインだと目立ってしまう、使い込んだ傷跡も、
バフだと目立ちにくいのも特徴です。
最近だと高層オフィスビルのエレベーターにも使われたりしていますね。
傷が目立ったら数年経ってから、表面のバフを再度磨くというか削ることが
可能という話もポイントでした。
ショールームではヤジマの東島さんに、丁寧に説明をいただき
天板だけでなく、厨房機器一式を選定することができました。
あとは良い見積もりを待つだけです。お願いします!
なかなか写真だけではお伝えしにくい、素材表面の仕上げのお話。
名前だけでも憶えていただいて、
皆さんにもこれかな?!という発見があればうれしいですね。

ひとつくらい普通じゃない蛇口をつけたい

真面目に家づくりのお手伝いをしていると、真面目に遊びが欲しくなります。
肩の力を抜くというか、全くの好みの問題で決めてしまうというか。
「それぞれの居場所をしつらえた、中庭のある家」では
クライアントのご主人が、水栓は普通じゃないのがいいね、
とショールームで意見を出しました。
そこで目を付けたのが、Groheの水栓。
多くはシルバーの水栓ですが、
これは白。ポイントでシルバーがつけられています。
他の水栓がシルバー色の中、これだけが白だったので
目がついたわけですね。
でも、これまで建った家でも、蛇口の部分が「カエル」!
だったり、「リス」!だったりしたことがあるので、
我々は全く動じず。
反対に奥様はえ~~っ!という反応。
そりゃそうですよね。みんなが使うところですから。
それぞれの意見を取り入れましょう、ということになる訳ですが、
「遊び」の部分がどこかにあっても、それは楽しいと思う
気持ちもあります。
はてさて最終形はどうなることやら。
でも遊びがあってもいい、
と思ってくれている施主と出会えていることが
嬉しかった、というお話です。

外苑前で洗面ボウル選び

洗面器、洗面化粧台というとどんなイメージがありますか?
カウンターと収納、鏡、照明などが一体になった
洗面化粧台が一般的ですよね。
Panasonic、Lixil、TOTOといったメーカー品をショールームで
見学をして決める、という方法もありますが、
建築家との家づくりの場合はもう少しバリエーションが豊富です。
洗面化粧台の難点は、
・幅に制約がある
・横の広がり感がない
・陶器製のものが少ない
といったところ。
水廻りが豊かになると、日常の生活がグレードアップする、
というのが信条の私としては、
洗面脱衣室をあまり狭く作りたくありませんし、
洗面台は横に広く作りたい。
できればボウル2つ並びとか、いいですよね。
幅75センチ、90センチといった寸法で
パチンと縦に終わってしまうデザインの洗面化粧台は
方向性が真逆です。
実は施主と一緒に洗面化粧台を選んだことさえありません。
今回も水栓、衛生陶器を選びながら
ボウルひとつひとつをチェックしてもらって洗面脱衣室を
つくる予定です。
伺ったのは外苑前にあるサンワカンパニー
おしゃれタウンの一等地。しかも高層ビルの1・2階って
どんだけ儲かってるねん!と言いたくなるほど
素晴らしい立地。
でもお値段手ごろな商品がいっぱいで、また感心。
週末の午後になると、若いご夫婦がいっぱい来場されていて
これまた素晴らしい。
感心しているばかりでなく、ボウルもちゃんと選んでもらいました。
建築家にとっての環境も整っていて、
ボウルも水栓も動かして組み合わせチェックができる、
長時間、打ち合わせテーブルを予約できる、
スタッフは全く付かない、
といった、ショールームを使うことに徹した仕掛けというか
要求しない限りサービスしないあたりが
居心地良い場所です。
説明書を読まないと動かない、最近の家電製品じゃないので
説明なんか不要ですからね。
今回は2カ所にある洗面でそれぞれ方向性を変えて
1つは清掃性を気にしたアンダーボウルもしくはカウンター一体のボウル
1つはお化粧、来客への見栄えを気にした楕円型のベッセル式にしました。
他にもタイル、フローリング、キッチンなど
一度は行ってみると楽しいショールームですよ。

ひとつひとつイメージを共有するためのショールーム見学


夏ごろから始まった、朝霞の住宅。
家族それぞれの居場所をつくりながら、心地いい住まいにしようとプランニングを進めています。
同時に素材や水栓器具など、実物を見ながら、イメージの共有をしています。
打ち合わせには素材のサンプルをお持ちして見ていただきますが、どうしても小さなものに限られてしまいます。
そこで向かうのがショールーム。都内には各社のショールームが集まっているエリアがあり、先日出向いた表参道近辺もその一つ。
まずIOCフローリングにお邪魔しました。
フローリングを選ぶとき、打ち合わせテーブルの上で決めてはいけません。
こうして床に並べた状態を、立った時の目線の距離感で把握すべきです。
選定に悩まれていた施主も、面として広がる本物の木目、色目、ムラなどを確認して方向性が決まりました。