Low-E ガス入り 樹脂サッシ

それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家では、サッシ工事が始まりました。
今回この住宅では樹脂サッシを全面的に採用しています。
サッシにはアルミ、アルミ樹脂複合、樹脂とおおきく3種類のサッシがあります。
数年前は樹脂サッシのラインナップが少なかったものの
リクシル、YKK共に日本の家の断熱性能を良くしようと
樹脂サッシの値段がぐっと下がってきました。
樹脂にするとサッシの額縁が大きくなってしまい、不格好という向きもありますが
中庭があり、窓が多くなったこの家では断熱性能を優先。
YKKのAPW330 という樹脂サッシを基本に採用しました。
ガラスはLow-E複層。
3~4ミリの2枚のガラスの間に空気層を設けることで
断熱性能を確保したのが複層ガラス。
さらに2枚のガラスの内側に特殊な金属膜を吹き付けて
断熱、遮熱性能を向上させたのがLow-E複層ガラス。
樹脂サッシであればLow-E複層が最低ラインの性能でしょう。
その上には空気層を真空にした真空複層ガラス、
2枚でなく3枚のガラスにすることで空気層をダブルにした
トリプルガラスという選択肢もありますが、
ここでは空気層にアルゴンガスという特殊なガスを
封入したものを使いました。
特殊といっても普通にラインナップされているものです。
さらに2枚のガラスをサンドイッチして留めておくパッキンに
アルミではなく樹脂をつかったものを採用しています。
これらはYKKの品川ショールームで教えてもらいました。
業者向けの特殊なショールームで、実際に熱や結露を比較体験しながら
製品選択時の参考になる商品を見ることができます。
残念ながら業者と一緒でないと見れませんが、
細かい部分まで手の届く設計が少しでもできたのも
ここでの勉強のおかげと思います。
何気に大工さんが付けているように見えるサッシも
さまざまな条件から選択した製品だったりするんですよね。

透湿抵抗の低い外壁合板を使う


少し専門的なお話。
外壁に下地用もしくは耐力壁用として合板を貼る場合、透湿抵抗の低いものを選ぶことをおすすめします。木造の場合、躯体内を乾燥した状態にすることが大事だからです。
湿度を低くしないと、シロアリの被害が受けやすく、また柱梁の腐りの原因にもなります。
冬季の温度差の関係から、室内側からの湿度が躯体内に入ることに関しては、気密シートでシャットアウトすることがやっと一般的になってきました。
たまに知らない職人さんもいるけど。
では外側はどうか。
合板を貼った上に透湿防水シートといって、ゴアテックス素材の住宅版のようなものを貼ることになります。写真の白いシートですね。ではその下に貼ってある板はどうなのか。
一般的に耐力壁用の板というと、構造用合板といって針葉樹合板が多く使われます。ホームセンターにも置いてある、コンパネと同じく一番安い部類の合板です。しかしこの構造用合板が湿気を通しにくい。
一度躯体に入ってしまった湿度は、気密シートのおかげで室内側に抜けることはできず、透湿防水の機能をもつ外側にしか排出できません。
そこで私は耐力壁の機能を残しつつ、湿度を通しやすい板ものとして、ダイケンのダイライトMSを使っています。
少し値段は上がりますが、後から変えようとしてもできないところ。
こんなところにも気をつけて設計しています。

コンセント位置の確認 @それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家

それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家では建て方完了後に
現場でコンセントスイッチ位置の確認を行いました。

建て主にとっては普段見たことがない、柱梁の風景の中では
具体的な生活のイメージが想像できないのが普通ですが、
図面を片手に、スイッチの位置を考えながら見て回ると
そこそこ空間のイメージも膨らみ、定着するものです。
そこで使い勝手と共に、人それぞれの生活スタイル、癖、
といったものにアジャストするための作業といっていいでしょう。

具体的には展開図といって各部屋の内側を東西南北の4面に分けて
それぞれに書いた図面に照明のためのスイッチ、コンセントなどを
落とし込んだものを使ってひと部屋ひと部屋確認してゆきます。

それぞれの居場所をしつらえた。。。と言っているくらいなので
家族全員に出席いただき、それぞれのお部屋のこだわりポイントを
聞きながら調整を進めていきました。

このときに重要なのが、おおよその家具のサイズと配置を決めておくこと。
個室ならベッド、机、本棚。
リビングならTV、ソファ。
ダイニングならテーブル。
他にはインターネットのTA、FAXや電話はどこに置きますか?

住宅相談会で拝見する、工務店やハウスメーカーの各図面にはこれらのものが
書き込まれた平面図を見たことがほとんどありません。
建て主が平面図を元にがんばって考えていることが多い。
それでもいいんですが、あらかじめ設計をしている人間が考えてあげないと
上手くいかないことも多いんですよね。

建築家でも同じですが、生活するのは建て主。
どんどん意見を言って、理想の住まいに一歩でも近づけましょう。

上棟式



朝霞の家では先日上棟式が執り行われました。雨続きの秋が続きますが、運良く晴れ渡り、施主家族と共に屋根の上まで上がって、すがすがしい気分になりました。
近年の災害、特に雨と風は以前のものより激しくなっています。設計上できることは対応し、現場も影響を受けずに進められると良いです。
上棟式では工務店の社長が神主に代わり主宰し、棟札を祀り、塩、米にお神酒を浸したものを建物一階の四隅の柱にまきました。
施主と各工事を担当する会社が顔を合わせることで、お互いの気が少しでも通じ、引き渡し後のメンテナンスでお会いしても顔のわかる関係が作れます。
ひと仕事終えた、職人さんも皆生き生きとして、とても晴れ晴れしい式でした。

建て方工事


それぞれの居場所のある中庭のある家では、建て方工事が進んでいます。
安全確保のため、住まい手はなかなか内部に入る機会がなく、現場に訪れることが少ない時期だとは思います。現場では鳶職、大工、監督など大勢が結集して工事にあたる、活気ある時期です。遠巻きながら私も作業を見ています。
木造の場合、建物の骨格が数日でできるので、二階に上がって部屋ごとに見え方、お隣さんの窓との関係など、設計どおりにできているか、もしくは設計に問題はなかったかをチェックします。今さら部屋の大きさは変えられなくとも、窓の取り付け位置などを少しは変更はできますからね。
この敷地は奥行きが長かったため、南側にレッカー車を置き、工事をしました。一部に鉄骨があったり、木の部材の仮置き場に困っていたりと、難儀をしながら3日かけて建て方工事をしました。

サッシ最終確認 @それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家

 

それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家では建て方に向けた準備作業が進む中、サッシの打ち合わせを事務所でおこないました。サッシ工事を担当いただくのはよくお世話になっている株式会社守甲さん。31会でもお世話になっています。

今日はサッシについてのお話をしましょう。

サッシとは数年前まではアルミサッシを意味していました。ここ数年で樹脂サッシの価格破壊ともいえる普及が進んできています。断熱性能が高く、しかも価格がある程度入手しやすくなってきた今は樹脂サッシで計画するのが正しい選択と考えます。断熱性を少しでも考えるのであれば、アルミサッシはもう古いと言えるでしょう。

とはいえ樹脂サッシがセレクトしやすくなったのは木造の住宅の場合だけ。コンクリート造や鉄骨造用のサッシはまだまだアルミサッシが主流です。木造用のサッシはビスをもんでサッシの枠と躯体を固定しますが、コンクリートや鉄骨の場合は「溶接」が必要なため、熱に弱い樹脂はまだ開発が進んでいないのでしょう。

また樹脂とアルミとでは素材自体の強度としてはアルミの方が高いため、樹脂で同じ強度を持たせようとすると、ガラスを支える枠の部分が大きくなって、ガラス面が小さくなってしまうという難点もあります。そういった見た目を気にされる方もいます。

他にも樹脂サッシではヨコに数枚のサッシが連続する連窓や、タテに連続する段窓を計画して大きな開口部をつくろうとしても、選択肢が限られてきます。自由度がまだまだアルミサッシには及ばない、ということですね。

そこで、樹脂サッシを基本としながら、ひとつの家でも設置場所や実現したい開口部の大きさなどによってサッシの種類を適宜選択をしています。

この家は中庭に面した部分に多くのサッシがあるため、同じ面積の住まいより枚数の多いサッシが計画されました。さらにある程度高い断熱性能を確保することが、長期優良住宅の認定取得の条件となっていたので、多くのサッシを樹脂としています。一方、中庭に面するサッシは少しでも明るさを室内に取り入れたい、という意向から枠が小さくなる樹脂とアルミを合体させた複合サッシを採用しました。

打合せでは、開き方向、ガラスの種類、網戸のあるなし、操作金物などのスペックをひとつひとつ確認しながら発注に向けての図面を整備しました。

配筋検査2回目 @それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家



2回目の配筋検査の様子です。
木製の躯体を地面から遠ざけ、腐らないように立ち上がりを設けます。
1回目の配筋検査で確認した部分を底盤、と呼び、2回目を立ち上がりと呼んでいます。
立ち上がりの高さは周りの地盤から30センチ以上と法律で決まっています。今回は長期優良住宅なので、さらに10センチ足されて、40センチ以上が必要です。
立ち上がりが高くなれば、地面の湿気を受けにくくなるだけでなく、床下からの点検もやりやすくなります。
ただし、1階の床が地面から離れれば離れるほど、庭や屋外とのつながり感が失われて、伸びやかな住まいごこちが損なわれることにもなるので、どちらを優先とするかは住まい手の考え方次第です。
配筋検査では、主にアンカーボルトの確認をします。筋交いや耐力壁のあるところ、土台の端部などに適宜アンカーボルトが入っているかを一つ一つ図面と現場を照らし合わせながら、不具合があれば修正してもらいます。

配筋検査 @それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家

 

墨出しを終えたあと、ここから鉄筋コンクリートの基礎を作ります。

木造住宅の場合の基礎種類には、布基礎、ベタ基礎の二種類がありますが、
今回はベタ基礎。
平屋で地盤がある程度固い場合には布基礎もありますが、
最近ではほぼベタ基礎です。

基礎下にある地盤に均等に建物の重さがつたわるので、
不同沈下が起きにくいこと、白アリの被害を見つけやすいことがメリットです。

 配筋検査とは、コンクリートの中に埋め込んでしまう鉄筋が、
設計図通りの太さ、間隔で置かれているかを見るもの。
この建物は長期優良住宅の取得を目指しているので、
構造家に入ってもらい、計算していますので
配筋についても担当がチェックしに来ます。

主に指摘をするところは、鉄筋の継ぎ目、コーナー、
配管の孔がある部分の補強など。

一時間にも満たない検査ですが、見えなくてなるところだけに、
何かのついでという訳にいかない、大事な工程です。

外壁、サッシ、屋根の色決め @それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家



いえづくりに時間をかけることに価値がある。
朝霞の家では地鎮祭後に外装の色決めを行いました。材料発注までには時間がありますが、施主家族が一堂に介する場でもあったので、良い機会と思い、サンプルを現場に並べて、建物全体のコンセプト、外観の見え方、色の選択肢と効果などを説明しました。
外装とは、アルミサッシ、外壁、屋根、樋、水切などです。
これらは全部一緒にサンプルを並べて、かつ必ず太陽の光に照らしてみてから決めることが大事です。太陽の光は、人工照明にはない色味と強さがあるので、室内で並べても意味がありません。
この日は雨が降り始めたので、急遽屋根のある場所に移動しました。
普段の打ち合わせには参加されない息子さんが屋根の色を決め、アルミサッシの玄関ドアは娘さんが意見していました。
いえづくりの過程でどこかの部分だけでも参加し、記憶に残ることをする。買ってきた既製品ではないからこその楽しみがあるのが素敵だと思います。

墨出し確認 @それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家

木造、鉄骨造、RC造など構造に関係なく地面を掘って、
建物の重さを地面に伝えるための構造体を作る前に、
写真のような平たくならした面を作ります。
これを、レベルコンクリートとか、捨てコン、と呼んでいます。
鉄筋のないコンクリートです。
掘る前段階の「縄張り」の段階では敷地と建物の位置を確認しましたが、
レベルコンクリートでは名前の通り高さの確認も重要です。
基準になるのは、敷地の外にあるマンホールのふたなどが一般的。
この現場の場合もマンホールのふたでした。
コンクリートの表面には設計図面にある通り芯が書かれていて、
敷地境界からの離れももう一度確認します。