鉄骨を木でサンドイッチしたパナソニックのテクノストラクチャー見学会 @二子玉川

 

木造の家でも昔から一部に鉄骨の梁を入れたりしてスパンを飛ばしたり、
二階に書庫やピアノなどの重いものを置くための荷重を支えるために、
梁を木製から鉄骨に変えることはよくあることです。

現在進行中の朝霞の家でも、一部に鉄骨を使っています。
一部でなくて、全体を鉄骨造にした方がそれは頑丈ですが、
コストがグンと上がりますので、そこは予算との相談。

木造でありながら、一部鉄骨梁の良いところを拡大して、
ひとつの工法システムとして昔から展開しているのが、
パナソニックのテクノストラクチャー工法。
薄肉の鉄骨梁を使い、広いスパンや二階床のはねだしを実現しながら、
大工さんが工事ができる木造の工法です。

テクノストラクチャー工法の現場見学会が二子玉川で開催されると聞き、行って来ました。
週末の相談会でよくパナソニックには行くので、工法について知ってはいたのですが、
実際に見たことはなかったので、良い機会です。

写真にあるように、パッと見は木造。
でもよく見るとグレーの部分は梁にスチールが見えます。
たったこれだけ、と言えばこれだけなのですね。
でもそれほどコストアップせずに木造ではあきらめていたことが
簡単に実現できるのはいいことです。

住宅の場合は、工務店さんが限定されますが、
住宅以外ではどの施工会社であっても部材供給をしてくれるらしい。
しかもよく見ると接合部の金物や、基礎の形状など
職人さんが困ってしまいそうな納まりはどこにもありません。
これは工務店の規模に制約を受けることなく導入が可能と見受けました。

1階に大きな部屋が必要な保育園を作り、2階は賃貸の住宅などという
構造的に無理が生じそうな計画で威力を発揮しそうです。

渋谷ストリーム 散策




少し前に渋谷駅に旧東横線渋谷駅舎の屋根がオマージュとしてよみがえるのかも、といった記事を書きました。
先日、渋谷ストリームという施設?エリア?としてオープンしていたので、散策したきました。
地下に潜ってしまって不要になった渋谷駅から代官山駅までの間の地上線路と渋谷駅舎を並行して走る渋谷川の再生と共に計画しています。
かなり巨大なストリートがつながっているなあ思っていたら、床には線路らしき鉄のプレートが走り、今でも複線ぐらいは走れそうな幅と高さの空間が建物を貫通しています。歩いて散策したところが、昔の線路。広々していていいですよね。
ヴォールト屋根のスペースに至っては、小さな駅舎のサイズながら、何も用途のないオープンスペース。真上は首都高速、下には国道246号が走るという都会ならではの光景。まだまだ再開発工事中の渋谷駅。次はどんな変貌ぶりを見せてくれるか、楽しみになりました。

Tokyo apartment オープンハウス


週末に板橋区で開かれていた、賃貸集合住宅のオープンハウスに行きました。藤本壮介という建築家が8年前に手がけた建築。すでに住んでいる人がいること、築数年たっていることが、普通ではないオープンハウスですが、それよりも驚いたのが、結構な雨の日だったにもかかわらず、見学者の列ができるほどの盛況ぶり。メディアで様々に紹介されていた建物なので、建築関係者がワンサカ来ているだけではあるものの、こんなに人の集まるオープンハウスできるだけても凄い。
典型的な家型を三層に計6個?9個?をずらしながら重ねてあるので、こどもの積み木みたいな外観の面白さがあります。住戸によっては二つのボリュームがつながっていたり、屋外の?!階段で二部屋がつながっていたりするようです。
見学できたのが地下のある一階の部屋と、スキップしてつながる三階の二室だけだったので、アクロバティックなところは外部階段しか体験できませんでした。
家型の重ね方は無秩序で自由。三階の家は二階の屋根に取り付いた階段で上がる、といった具合。
敷地はいたって普通の大きさで、周りは戸建ての住宅がある都会の住宅地。よくここまで自由にやった、と思う。やらせてくれた施主、説得した建築家、実現させた工務店、みんなをほめてあげたくなる。
元気をいただきました。
さて、私もがんばろ~。


築地の集合住宅オープンハウス タスエス


築地の集合住宅のオープンハウスに行きました。中央線ケンチク会のメンバーでもあるタスエスさんがその先輩にあたるビーフンデザインさんと協働したものです。
一階店舗、2階から8階までが賃貸、9、10階がオーナー住戸。ワンフロア1住戸という贅沢な構成。
コンクリートの打ち放しにグレーの撥水剤が塗られて、オトナカッコいい雰囲気を作っていました。賃貸住戸は各階の間取りが変えられていて、SOHOやカフェに用途を変えた場合に使いやすい住戸もあったりして、借りてみたい!と素直に思える空間でした。
各住戸前のエレベーターホールと自転車置き場が贅沢なウッドデッキで仕上げてあるのもグッド。なんと玄関ドアはガラスの框ドア。中が見えてしまいます。担当の松下さんいわく、垂直方向の町歩きをイメージしてデザインしていて、玄関から入ってすぐのひとスペースを積極的に開放してほしいのだとか。意図のある設計に納得!な見学なのでした。

渋谷駅の改修現場を見ながら記憶の継承について考える

 

建て替え最中の渋谷駅。
もともと東横線の渋谷駅のあった付近。
一度解体されたはずが、懐かしいボールト屋根が復活しているのかも?
という写真が撮れました。
東横線は現在では地下に潜っているので、駅舎が復活しても電車はここに来ないのですが、
記憶に残るカタチが継承されることは良い事だと思います。
住宅の場合でも、建て替え、リフォームの計画時に残したいモノ、
大事にしたい景色をまず考えます。
木造の梁を上がり框に再利用したり、透かし欄間の細工を建具に挟み込んだり。
木造住宅の場合は再利用できる部材が必ずあります。
またすっかり建て替える場合であっても、
リビングからの景色は同じものが見えるようにしたり、
風の流れを考えて窓の位置だけは同じだったりします。
そこには家族の記憶を継承したり、
居心地に直結する場所の記憶を継承したりする意味があると考えています。
あたなの家なら何を残したいですか?

旧山田守邸、蔦珈琲店

先日、機会があり表参道の古い住宅で今は喫茶店として使われている
旧山田守邸、現在は蔦珈琲店に行ってきました。
外観から、特に通りに面した入口は名前の通り蔦に覆われており
知る人ぞ知る、的な雰囲気を出しております。
右側の塀に「営業中」の看板がありますが、こちらも蔦で囲われていて
積極的に営業されていないのかな?とも思っていましたが
中に入ると懐かしい感じの喫茶店の雰囲気でした。
お店としての評価などは食べログなどにもあるので、そちらに譲るとして
建物として長く使われていることを感じながら
庭や建物を眺めると珈琲の味も変わりそう。
山田守は京都タワーや日本武道館を設計した建築家。
60歳を過ぎて建てた自邸がこれだそうです。
建設当初の写真を見ると、喫茶店の部分はピロティで、
住居部分が2階にあり、細い柱で浮いたような建物だったことがわかります。
建物は古いコンクリート造で、曲線、薄い庇などが特徴の建物です。
2階が公開された時期もあったようですね。
高低差のある敷地をうまく使って、2階に地面を近づけるように
庭に築山を設けています。
現在の喫茶店からはその築山に降る落ち葉や花びらが
Twitterで写真があげられているように、青山とは思えない景観を提供しています。
隠れ家的なお店であることは間違いありません。
古くからある喫茶店のため、喫煙OKのお店。
たばこのにおいが気になる方はお昼の時間をずらすなどして
人が少ないときに行った方がよさそうです。

変わらない都会の風景です 表参道スパイラルビルの階段

 

表参道スパイラルビルの二階へ登る階段。
建築関係者なら一度は上り下りしたことがあるであろう有名な階段です。
表参道は紀伊國屋が大きなビルになり、ベルコモンズが解体されて、
風景も様変わりしているけれど、この階段から通りを眺めれば、
古くからある景色に見えるから不思議。
単調ではない、不規則なリズムのある階段とアルミカーテンウォールのマリオン。
ここにベンチを置こうとしたのは設計者の意図なのか。
たまたまスペースができたからなのか。
単調ではないリズムが、とても心地いいのと、
椅子が置かれている高さがちょっとずつ高さの違う踊り場になっていて
プライベートスペースを作っている。
知らない人は一度行ってみるべき。

常に工事中?横浜駅


打ち合わせで久々に横浜駅へ。
噂には聞いていましたが、工事中です。
横浜駅は開業以来、かなり長期に渡り工事中らしく、
今回はたまたま出た西口に巨大な駅ビルを建設中でした。
あまりに大きすぎな新宿駅や、
埼京線は恵比寿でしょ的な渋谷駅に比べると、
駅の構造がシンプルで、ホーム上に改札がないところは好みでした。
JRのホームは上に登る階段、エレベーターがないので、見通しが良く、
入線した列車が端から端まで見える
ダイナミックさがいい。
駅ビルができると変わってしまうのかな。
駅の建築は利便性よりも、
情緒、ストーリー性があるほうが良いと思いませんか?
たとえば、原宿駅は木造駅舎をやめてしまうらしいし。
がんばれ、設計者。がんばれ、横浜駅。

渋谷の歩道橋架け替えで考える建物の断面の面白さ

最近は渋谷に行く機会が多いので、
現在駅前再開発工事が真っ最中な現場を通過しています。
駅前に何本もビルを建て、銀座線の渋谷駅の場所を動かし、
地上2階にあった東急東横線を地下4階?ぐらいに移設し、
といった工事をここ何年も続けています。
一般の利用者のための安全なルートの確保も大変。
高層ビルの柱がどうしても改札口付近にできてしまうので、
JR渋谷駅から東急東横線の渋谷駅への乗り換えは
1か月ごとにルートが変わっているんじゃないか、
というくらい複雑な現場です。
建築仕事をしている身としては
見どころ満載な渋谷駅ですが、
これはあまり見たことない、というのが歩道橋でした。
渋谷駅には国道246号という片側3車線ぐらいの大きな道路が
線路と直角に交わっているので
歩行者のためには横断歩道ではなく、歩道橋があちこちにあります。
この歩道橋も再開発に合わせて架け替えが進んでいるのですが
いわゆるスクランブル交差点のような
巨大な交差点なので、歩道橋もかなりのスパンが飛んでいます。
しかも歩行者も多いので歩道橋の幅も広い。
架け替えるのも大変だろうなぁ、と工事の進み具合を見ていたのですが
歩道橋の真上に首都高3号線の高架がかかっていて
さらに工事を複雑にしているようです。
それでもゆっくりと歩道橋の架け替え工事が進んでいて、
3枚目の写真にあるような断面を見せてくれました。
建物の計画をするとき、なかなか断面についてお話しすることは少ないです。
平面図で間取りや動線などを説明することがほとんどです。
でもたまに断面も工夫しないとうまく空間が入らない、とか
吹き抜けを介してどことどこがつながるのか、などといったことを
断面図をもとに説明することがあります。
実はこの断面図が空間の面白さが産み出されいることがわかる
図面だったりします。
断面が面白くないと、設計の面白さが半減するのではないかと
考えている建築家も多いはず。
この歩道橋の断面の見どころは、
首都高の高架の断面に似せていること。
(底面を平らに、側面にテーパーを付けた形状としている)
意外と薄い鉄板を貼り合わせて作られていること。
梁の中に人が通るようなスペースがあること。
でしょうか。
ちょっとづつ歩道橋が伸びて行って、
そのうち見えなくなってしまう断面。
今だからこそ楽しめるんだな~とおもいつつ。
そんな訳であまり見る機械がない歩道橋の断面を今日もシゲシゲと
眺めている人が渋谷にいても、不審者と思わないようにお願いいたします。

上野国立博物館 ドーム ステンドグラス 大理石


少ない休日はできるだけこどもと過ごしています。仕事がら週末の打ち合わせ、イベントが多いので、なかなか遊びに出ることもなく。
先月は上野、谷中を徘徊してきました。
谷中では10月なのに、カキ氷が食べたいとのこと。寒いじゃん。
街歩きができそうだから、まあいいかな。
上野は博物館。これはOK。前の事務所で博物館の設計をしてたから、興味ある。
こどものことでも自分の楽しみを見つけないとね。
行ったのは国立博物館。素晴らしい、ここ。
展示の量もすごいし、質も素晴らしい。混み合うわけです。
私が気に入ったのが休館の吹き抜け。
吹き抜けに面して階段と廊下があり、吹き抜け廻りの三方に展示室がくっついているので、必ず吹き抜けに戻ってくる。
建物の規模の割には小さな吹き抜け。
手すりが抜けの少ない大理石造で、こどもの目線の高さなので、こどもにとっては吹き抜け感はあまりないと思う。
頂部がドームになっていて、側面にはステンドグラス。高い天井から、5メートルはあるペンダント照明。
どれも現在設計をしていても遭遇しない要素。そこに惹かれるし、良い空間、空気感が間違いなくある。
博物館に行って、あまり空間を眺めることはないかもしれませんが、たまには上を眺めてみてください。
おまけに
谷中のひみつ堂のかき氷。