この模型5億円也

金曜日にビックサイトへ。スタイルハウジングEXPOという展示会の
出展者側の一部として参加していました。
初日の金曜日ということもあり、一般個人向けの展示会だったので
客足はそれほど多くはなかったものの、
不況のあおりを受けて出店ブースが減っているかと思いきや
どのブースも皆さん旺盛にPRされており、活気がありました。
ビックサイトのメインロビーの一角に、なにやら大きなモノが敷かれていました。
ん~、模型?
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解説によると、先日来日したオリンピック委員会メンバーへのプレゼンで
使った東京オリンピックのための模型だそうです。
会場が都市の一部にこんなにコンパクトにまとまっていますよ~と
説明するためのツールの一つらしい。
プレゼンの方法がマンパワー重視のローテクな方法だったので
そこまでやっちゃった感が強かったなあ。
どんなに大きくても都市模型でしょ。体験したことのない空間を
疑似体験できるわけでもないし、鳥になった気分?で見れたとしても
オリンピックやったとしても自分が鳥になるわけじゃないし。
帰ってから建築系のニュースをネットで見ていたら
この模型の記事がありました。
何と費用5億円!
ほえ~~~~!
製作者森ビルさんだそうです。
そういえば、co-labが六本木にあった頃、
そこは昔、森ビルの都市模型製作会場跡地の空きスペース
だったと聞いたことがあります。
六本木ヒルズができて、森美術館に都市模型が移転したから
co-labも生まれたようなもの?正確なところはわかりません。
われわれも日常的に作る模型制作という作業の延長上にあるものだけど
ここまで特化するとひとつの職業だね。しかも他人にはまねできないもの。
森ビル、5億と聞いて、ある意味感心しました。

SUMIKA project-2

前回に引き続き、宇都宮のSUMIKA Projectの見学記。
建物を見た順番としては、伊東さんのパヴィリオンでDVDを解説を受け、
次が西沢大良の住宅でした。
西沢さんと前回紹介した藤本さんの家は隣り同士。
場所はパヴィリオンからはバスで10分ぐらい移動した住宅地の中です。
近所は広めの敷地と手入れのされた生垣植栽のあるような住宅地で、
宇都宮と言う場所柄、大谷石の蔵や塀がある家も多く
古くからある住宅地のおもむき。
藤森照信の住宅は西沢・藤本の敷地から歩くこと5分ちょいの場所。
3人の場所はどうやって決めたんでしょうね。
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西沢さんの家のソファからダイニングテーブルと庭方向を眺めたところ。
前の黒い扉は外壁のほぼ全てにめぐっており、開放することができるもの。
扉を閉めると、屋根越しの天井からの光を感じるというもの。
トップライトの自然光が生活に応じた場所に届くように計算されている
というのだが、それにはあまりピンとこなかった。
新しい視点かもしれないけど、実現するための方法に無理を感じるし
それによって生じる問題が解決できてないと思う。
例えば雨と風のあるときは外壁を閉じないと雨が入るけど、
閉じると昼間でも暗そう、とか
夏場は天井が熱気だまりになって、風のない日は住めないんじゃないかとか。
それよりは、天井に設けられたルーバーが中空ポリカを使っていて
中空ポリカに反射した光が素敵だったこととか
水廻りの前の仕上げが芝!になってて、
室内の土間を芝仕上げにするのは面白そうとか
鋼管杭で直接屋根を支える構造とか
おそらく西沢さんにとっては本題でないところが見所満載な建物でした。
ちなみに、便所の外壁も黒い扉になっていて、
便器脇の扉も開くようになってました。
開けようとしたらうまく開かなかったけど、
隣接するお風呂がオープンでフリーになると思うと、
お風呂の開き方として、ガラスのある窓じゃなくて、
鉄扉をつかって開け閉めするというのはアリ。

SUMIKA project

昨日は東京ガスが宇都宮で行っている実験住宅、SUMIKA projectを見学しに行った。
見学と言っても住宅展示場のようにフラっと行けるわけではなく、
事前予約をして、団体ツアーのような見学会でした。
我々はPanasonic電工の相談会メンバーの建築家数名と一緒。
有名建築家が設計した実験住宅ということもあり、感じること、勉強すること満載。
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上は伊東豊雄のパビリオン。コンセプト通りに作るというのはこういうことです、
というお手本のような、建物。これだけがパビリオンという用途で後の3つが住宅。
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今回始めて内部から体験することのできた藤本さんの住宅。
一緒に行ったご年配の建築家はこんなスケールありえへん!と
言いながら梯子を登っていましたが、私は嬉々として建物を巡っていました。
小さくてもちゃんと居心地の良い内部、
外と内の境界が無いことの違和感のなさ、
隣地塀との関係の生み出し方、
この日に見た住宅の中で、最も住んでみたいと感じた住宅でした。
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これは浴槽に座った時に見える風景。
浴室が隣地側の塀ギリギリに作られていて、少し角度が振れている。
しかも浴槽の縁は外の地面とほぼ同じ高さ。
するとこんな景色になるのですね。
藤森さん、西沢さんの住宅もちゃんと見ましたが
それはまた後日。