図面通りのことではあるのですが、実際にやってみるとめんどくさいことは多々あります。
工務店にとって、建築家が作る住宅はある意味それの連続だったりしますが
その際たるものが古材の利用かもしれません。
現場に建っていた、110年前の木造家屋で使っていた梁材、欄間などを
鉄骨造の建物で、違う形で再利用したい。
図面にも書いてあって、見積もりにも入っているのですが、
実際にやろうとすると、たいへんご苦労おかけしているのだなあ、と実感します。
今回、古材の加工をするために、栃木県の製材業者に来てもらうのですが、
まずは材木に詳しい方が現場を訪れ、並んでいる古材を見て、
使えそうなものをセレクト。
別の日にトラックで来て、大勢で荷台に載せて、製材所へ。
製材所では中に釘が入っていると、止まってしまうから、できるだけ
現場で釘を抜いてもらっています。
製材所にはわたしたち設計者も出向いて、木肌を見ながら使えそうな部分を
決めていく予定です。
新しい材木を買ってくれば、それは簡単に、しかも安く終えられることは
百も承知ですが、ここは譲れないところ。
もう一息で家のどこに使えるのか、落ちつき場所が見つかる古材たち。
歴史を引き継いで、家にぬくもりを与えてくれることでしょう。