六本木離れ部屋

 

少し前のことになりますが、懐かしい人に会いに台東区まで行ってきました。

関さん、というグラフィックデザイナーの方です。

 

今から10年ほど前、co-labというシェアオフィスが六本木にありました。

独立して仕事を始めたばかりの私は、狭くても何とか1Kの自宅で作業をしていましたが、

マンションの一室で内装工事が始まって電話の声も聞こえなくなったり、

実施設計が煮詰まってくると数日のあいだ家を出なくなってきたりすると、

さすがにどこか仕事場が欲しくなっていました。

 

とあるツテで、住んでいた東麻布から徒歩圏内にシェアオフィスがある、

と聞き自宅を脱出することとしました。

 

シェアオフィスというと聞こえがいいですが、

すでに稼働していたスペースに一歩遅くから参加することになったので、

10以上のブースが並び、広い共有スペースがあるメインの部屋は

既にいっぱいで、廊下を曲がったところにある、

倉庫のような場所に新しく増設する予定があてがわれました。

しかも窓のない部屋。

通称「離れ部屋」。

5つのブースが並んでいました。

 

ちなみに1ブースは2m×2mほどのスペース。

私はそこをさらに3名でシェアする形でした。

狭いという意味では今もそれほど変わり映えしませんが、

男三人が並ぶとさすがに狭かった印象がありますね。

 

関さんはそこの離れ部屋でご一緒だった方。

業種も違えば、仕事の時間帯も違うので、

特に話すわけでもないですが、

オープンな造りのブース内はのぞき放題。

電話の声を聞く。

挨拶をする。

考え事をしている。

そういった何気ない仕事っぷりに、人柄が出るもの。

 

関さんはいつも帰るときは机の上がピシッと片付けられていて、気持ちいい。

居ないことがほとんどだけど、いつもどこか飛び回っている。

お誘いした自転車のツーリング中に撮ったスナップ写真がどれもいい。

と片想いのような存在の方でした。

 

その関さんに、仕事の依頼ができるかもしれないという幸運が巡ってきました。

私が直接、というわけではなく、仲介役的な立場でしたけど、

それでも十分うれしい。


写真は関さんの事務所、Mr.Universで打ち合わせした時の風景。

真ん中の方が関さんです。

 

うまくつながるといいな。

六本木離れ部屋、たった5つのつながり。

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