古い家に瓦が載っていた場合は外構に使おう

ただいま絶賛工事中、というか本当は終わっているはずだった佛念寺庫裏。
台風やら、手配やら、何やかんやで遅れておりますが
懸案だった外構工事は、ものすごく良い出来栄えでこちらが驚くぐらい。
植栽は木の成長が止まるこれから植える予定なので
全貌はまだ見えてこないのですが、徐々に建物の足元から完成しています。
写真にあるのは、瓦を縦に埋めてある様子。
今日は古い家の瓦の再利用のお話。
敷地が少し広い建物で、平屋が建てられたりする場合の話に限りますが、
樋を付けない、という選択を積極的に行っています。
樋、というのはもちろん、屋根に降った雨を集めて、
側溝や下水に流すための大事な役割を持っています。
地面に落ちた雨は、跳ね返って建物に汚れを付け、
建物の老朽化を招く原因にもなります。
でも。
付けなくて済む条件が整ってさえいれば、付けない方が建物の外観はスッキリします。
その条件とは。。。
1 軒の出がある
2 雨が落ちる先はの地面は浸透しやすいものである
3 人が出入りする場所には樋を付ける
佛念寺庫裏の場合は、そこそこ大きな平家の建物で
お寺の横に建てる住居だったので、軒のある和風な外観をしています。
そこで可能な限り樋は付けない方針で設計をしました。
そこで登場するのが古い家で使われていた瓦です。
長い年月雨がしとしとと落ち続ければ、どんな地面であっても
洗われてしまい、へこんでしまいます。
地面に排水機能を持たせるために砂利を埋め、
砂利が動かないように瓦で櫛のようにつかんでいるのです。
こうすることで、雨の跳ね返りが抑制され
ある程度コントロールされた雨の通り道ができるわけです。
しかも古い家の記憶をいつまでも継承できるという
すばらしい利点もあります。
ここに至るまでには
解体の時に瓦を手運びで地面に降ろし、
建設期間中に保管できる場所があって、
そのうえで上記のような条件がそろった場合に可能な
少し狭いターゲットのお話ですが、
こうして出来上がってみると、その価値は十分あると思いませんか。

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