渋谷の歩道橋架け替えで考える建物の断面の面白さ

最近は渋谷に行く機会が多いので、
現在駅前再開発工事が真っ最中な現場を通過しています。
駅前に何本もビルを建て、銀座線の渋谷駅の場所を動かし、
地上2階にあった東急東横線を地下4階?ぐらいに移設し、
といった工事をここ何年も続けています。
一般の利用者のための安全なルートの確保も大変。
高層ビルの柱がどうしても改札口付近にできてしまうので、
JR渋谷駅から東急東横線の渋谷駅への乗り換えは
1か月ごとにルートが変わっているんじゃないか、
というくらい複雑な現場です。
建築仕事をしている身としては
見どころ満載な渋谷駅ですが、
これはあまり見たことない、というのが歩道橋でした。
渋谷駅には国道246号という片側3車線ぐらいの大きな道路が
線路と直角に交わっているので
歩行者のためには横断歩道ではなく、歩道橋があちこちにあります。
この歩道橋も再開発に合わせて架け替えが進んでいるのですが
いわゆるスクランブル交差点のような
巨大な交差点なので、歩道橋もかなりのスパンが飛んでいます。
しかも歩行者も多いので歩道橋の幅も広い。
架け替えるのも大変だろうなぁ、と工事の進み具合を見ていたのですが
歩道橋の真上に首都高3号線の高架がかかっていて
さらに工事を複雑にしているようです。
それでもゆっくりと歩道橋の架け替え工事が進んでいて、
3枚目の写真にあるような断面を見せてくれました。
建物の計画をするとき、なかなか断面についてお話しすることは少ないです。
平面図で間取りや動線などを説明することがほとんどです。
でもたまに断面も工夫しないとうまく空間が入らない、とか
吹き抜けを介してどことどこがつながるのか、などといったことを
断面図をもとに説明することがあります。
実はこの断面図が空間の面白さが産み出されいることがわかる
図面だったりします。
断面が面白くないと、設計の面白さが半減するのではないかと
考えている建築家も多いはず。
この歩道橋の断面の見どころは、
首都高の高架の断面に似せていること。
(底面を平らに、側面にテーパーを付けた形状としている)
意外と薄い鉄板を貼り合わせて作られていること。
梁の中に人が通るようなスペースがあること。
でしょうか。
ちょっとづつ歩道橋が伸びて行って、
そのうち見えなくなってしまう断面。
今だからこそ楽しめるんだな~とおもいつつ。
そんな訳であまり見る機械がない歩道橋の断面を今日もシゲシゲと
眺めている人が渋谷にいても、不審者と思わないようにお願いいたします。

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