サッシ最終確認 @それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家

 

それぞれの居場所をしつらえた中庭のある家では建て方に向けた準備作業が進む中、サッシの打ち合わせを事務所でおこないました。サッシ工事を担当いただくのはよくお世話になっている株式会社守甲さん。31会でもお世話になっています。

今日はサッシについてのお話をしましょう。

サッシとは数年前まではアルミサッシを意味していました。ここ数年で樹脂サッシの価格破壊ともいえる普及が進んできています。断熱性能が高く、しかも価格がある程度入手しやすくなってきた今は樹脂サッシで計画するのが正しい選択と考えます。断熱性を少しでも考えるのであれば、アルミサッシはもう古いと言えるでしょう。

とはいえ樹脂サッシがセレクトしやすくなったのは木造の住宅の場合だけ。コンクリート造や鉄骨造用のサッシはまだまだアルミサッシが主流です。木造用のサッシはビスをもんでサッシの枠と躯体を固定しますが、コンクリートや鉄骨の場合は「溶接」が必要なため、熱に弱い樹脂はまだ開発が進んでいないのでしょう。

また樹脂とアルミとでは素材自体の強度としてはアルミの方が高いため、樹脂で同じ強度を持たせようとすると、ガラスを支える枠の部分が大きくなって、ガラス面が小さくなってしまうという難点もあります。そういった見た目を気にされる方もいます。

他にも樹脂サッシではヨコに数枚のサッシが連続する連窓や、タテに連続する段窓を計画して大きな開口部をつくろうとしても、選択肢が限られてきます。自由度がまだまだアルミサッシには及ばない、ということですね。

そこで、樹脂サッシを基本としながら、ひとつの家でも設置場所や実現したい開口部の大きさなどによってサッシの種類を適宜選択をしています。

この家は中庭に面した部分に多くのサッシがあるため、同じ面積の住まいより枚数の多いサッシが計画されました。さらにある程度高い断熱性能を確保することが、長期優良住宅の認定取得の条件となっていたので、多くのサッシを樹脂としています。一方、中庭に面するサッシは少しでも明るさを室内に取り入れたい、という意向から枠が小さくなる樹脂とアルミを合体させた複合サッシを採用しました。

打合せでは、開き方向、ガラスの種類、網戸のあるなし、操作金物などのスペックをひとつひとつ確認しながら発注に向けての図面を整備しました。

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