エコライフ勉強会 NO,1-地中熱ヒートポンプ

今年の1月、地中熱を利用したヒートポンプの実例を見学する勉強会を開催しました。
エコライフのための建築・住宅を作りたいと常々考えています。
そこにはデザインだけではどうしても解決できない技術や素材の知見が必要になります。
小規模な設計事務所であっても適材適所の引き出しを用意しておきたいもの。
それもカタログやショールームにあるものではなく、
実体験や現物としてどういうものなのかを知っておかなければ意味がありません。
そこで勉強会というかたちで、ひょんなことからお知り合いになれた
ジオシステムの高杉氏を講師に、勉強会を開催したのです。
声をかけたのは、知人の建築家数名。
ビルが小さいので10名まで限定の勉強会でした。
エアコンで空冷式とか、水冷式と言う言葉を聞いたことはありませんか。
今の主流は空冷式です。エアコンには室外機がありますが、
あれは外の空気から冷たい熱や暖かい熱を取り出しているのです。
室外機の排気は冬は冷たく、夏は暖かくなるのはそのためです。
ヒートアイランドが起きる原因の一つがこの空冷式のエアコンです。
じゃあ空気から熱を取るんじゃなくて、他の方法はないの?
その一つがこの地中熱ヒートポンプというものです。
ヒートポンプとは熱を作る機械のことで、室外機に入っています。
井戸水が年中同じ水温なのと同じで、土の中も温度は一定なので、
冬は外気より暖かく、夏は反対に冷たい。
そこで地中に穴を掘って、不凍液を循環させることで、地下の熱を利用しようというもの。
循環するのが水なので、室外機としては水冷式のカテゴリーに入る。
見学したのは港区にある事務所ビルの改修の現場。
駐車場スペースを利用して、地中に穴を掘り、屋上にある
室外機まで不凍液を循環させています。
エコライフ勉強会090116-00
マンホールのようなところから、地下へ管が延びてる。
エコライフ勉強会090116-01
寒い日でしたね。
屋上に不凍液のタンクが設置されています。
エコライフ勉強会090116-02
正面に見えるのが、室外機=ヒートポンプ。
この事例の場合は地中熱を利用した水冷式に、空冷式のシステムも
併用しているので、背の高いヒートポンプでした。
高杉さんの説明によると、日本ではまだ採用された事例が少ないので
どうしても工事コストが高くなってしまって
採算が合うのは20年程ということ。
驚いたのが、このシステムが最も普及しているのがアメリカで、
日本の数千倍のエネルギー量を地中熱からとっているということ。
ヨーロッパや北欧がそこそこ普及が進んでいるのは想像つきましたが
アメリカが一番だとはね。日本はかなり遅れているようです。
今年の政策では太陽光発電に対する補助金が復活するようですが、
空の狭い都市部では太陽光の恩恵を受けるには限界があるように思う。
詳しいことはわからないけど。
それよりは、都市部でも地中熱は等しく享受できるのだから
このシステムがもっと普及するといい。

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