昨日は川越在住の造形作家佐藤伊智郎さんに誘われて
川越まつり&ホームパーティーに家族で行ってきました。
私は埼玉の所沢出身なのですが、川越まつりどころか川越に降り立つのは初めて。
こどもは山車や踊りを見て歩き、わたしたちは蔵造りの街並みを見て歩ける
とても楽しい一日でした。
黒漆喰の街並みはたまたま開発から取り残された旧市街を保存することで
できたもののようですが、
今では電柱もなく、マットな質感の黒い外壁が並ぶ様子は
正直かっこいいし、他ではまねできないエリアを作っています。
黒漆喰の外壁は、備長炭を漆喰に混ぜ、左官工事で塗った後は絹で拭き、
最後は素手で磨き込むんだそうです!
んー何たる手間。
途中、お寺の境内には国内唯一の手作りお化け屋敷の店なども出ていましたが
泣き叫ぶ子供を無理には連れて入れず、断念。
このお化け屋敷、大寅興行社という見世物小屋一座が運営するもので、
麻布十番まつりや花園神社まつりにも出ているようです。
ドキュメンタリー映画も上映されているくらい、希少価値のあるもの。
見たかったな―。
あいにくの雨模様になって、夕方からはひと駅移動して伊智郎さんの家でホームパーティー。
ご実家でパーティーを開いていただき、隣接する彼のアトリエを拝見し、
さまざまなアーティストに出会うという、盛りだくさんな時間でした。
なかでも楽しみだったのはアトリエ訪問。
作品を見れて、製作の過程がわかる、作家のアトリエほど楽しいものはありません。
伊智郎さんは鉄を使ったアートを造る作家。
異形鉄筋を曲げて作ったテーブル、緑青が吹いた銅板で造った森を飛ぶ昆虫がいる鉄製欄間、
角鋼をねじった独鈷杵みたいなもの。
最近見ていなかった彼の作品は、確実に良くなっている!と感動。
展覧会ではいつもバシッと決めている伊智郎さんも昨日は作業着だったので、
いつも気になっていた、熱を使わないで手で鉄を曲げている様子を見てみたくて、
「鉄はどこで曲げているの」と軽ーく振ってみました。
優しい彼は6ミリ厚ぐらいの2mほどあるフラットバーを持ってきて、目の前で実演してくれました。
土間に置いた鉄に体重をかけ、
「フー」と息を吐く時にだけ曲がっていくフラットバー。
迫力ある力作業。その様子に他の人も興奮。
異形鉄筋も角棒も工具は使うものの、基本は手作業で曲げていくんだそうです。
すごい。かっこいい。
この日はご実家にまつわる建築的な話題もたくさんあったのですが、
それはまた、別の場所で。
とっても楽しい一日でした。伊智郎さん、ご家族の皆様ありがとうございました。