天井高をあえて変えることで落ち着きと解放感を演出したLDK

大澤邸002 

間取りと共に重要なのが天井の高さ。
個人差はありますが、175センチくらいの男性の場合で
2.4mの天井高さがあれば圧迫感はありません。
ちょっと昔の一般的な木造住宅でも天井高さは2.5mから2.6mあるもの。
ただし部屋の出入りの建具が1.8mしかないと
頭を下げて出入りすることになるので、
実際の天井高より低く感じることが多いですね。
天井高と建具の関係は密接にからんでいます。
さて写真の事例では、手前の天井を高く、屋根勾配なりに上げておき、
奥のキッチンの側は低く抑えています。
一体的なLDKの間取りではあるのですが、天井の高さを意図的に
変えることで、室内の意匠であるクロスの選択も変えています。
主にキッチンを利用される奥様の好みであるグリーンを使って
キッチン側の壁と天井をおおいました。
吊戸棚やカウンターの造作家具の色と合っています。
LDKの側はシンプルな白の空間。
日光がさんさんと入る明るいLDの光を少し奥まったキッチンに
反射して届ける役割も持っています。
中央左手のほぼ黒い扉は以前ご紹介した黒板塗装の壁
雑然としがちなリビングに、しっかり1畳分の収納スペースが
付属しています。
あえて天井の高さを変えた段差は、
染色したロシアンバーチの木目を生かした下がり天井を
床まで伸ばしてあげることで、
まるでキッチンに立つ人が舞台にいるかのように演出しています。
右手の袖壁の裏には、家事コーナーが隠れています。
キッチンの天井高さは2.22m。
背の高い男性であれば軽く手が届く高さ。
一方LDの高い天井部分は低いところで3.1m。
写真には写っていませんが、高いところで4.3m。
低い部分があるからこそ、
高い天井の解放感をより感じるつくりになっています。

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