間取りの工夫で極力廊下をなくしてコンパクトな規模に抑えた家

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家、というのはどのくらいの延べ床面積があれば必要十分な広さなのか。
とても難しい課題です。
家族構成、人数、ご高齢の方がいるかどうか、敷地形状、周辺環境。
持っているモノのボリューム、建てる時の年齢。
もちろん予算も関係します。
ということは回答はひとつではない、ということです。
建築家のしごとは、それぞれの家族にとっての最適解を毎回考えて、
こんな家がいいのでは?と提案することでもあります。
さて写真にある山梨市の住宅の場合のお話をします。
設計がスタートしたときは小学校入学前のこどもが二人いる家族でした。
ひと部屋で川の字になって寝る、仲の良い家族。
こどもには受験勉強などの一時期だけ個室を与えるけど
基本はワイワイと一緒に過ごすための広いリビングの方が大事。
間口がゆったりとした、広めの敷地で、西側にお寺の駐車場がある以外は
ブドウ畑が広がっていて、閉じなくてはいけない方向が少ない敷地でした。
そこで提案をしたのは、みんなで寝る寝室以外に個室のない家。
ダイニングキッチンは施主の希望でリビングから離し、
リビングだけで20畳もある広さを確保しながら、
全体で30坪を切る、コンパクトな平屋の家でした。
コンパクトな家の場合、いかに廊下を無くすか、
部屋と部屋をどうつなげるか、が重要になってきます。
この家の廊下は、写真の真ん中にある部分だけ。
手前が20畳のリビング、廊下を挟んで奥がキッチンです。
右側に見えるのが玄関。
廊下の突き当たりはキッチン動線にもなっているので、
お母さんがキッチンに立てば、家のほとんどが見渡せます。
廊下は、移動のための空間です。
気持ちの入れ替えができたり、ちょっとした風景が見えたりすると
移動時間も楽しく心地よくなるのですが、
冷暖房を用意しないのが一般的なので冬は寒くなりがち。
部屋から廊下へ出たら扉をピシャっと閉めるので
ますます他の部屋と一体で使うということは考えられません。
もし少なくできるのであれば、
少なくした方がメリットは大きいと思います。
仲の良い家族だったから実現した家なのかもしれませんが、
家が家族の距離を縮めることだってあるのだと思います。
コンパクトな家、考えてみませんか。

タイル貼りの在来浴室の掃除を楽にする工夫


注文住宅なんだから在来浴室にしましょう。
私が良く使うセリフです。
キッチン、浴室、建具、家具。
どれも既製品はあります。
ショールームに行けば、現物が確認できるし、値段もわかりやすい。
痒いところに手が届く仕掛けもあります。
でも、いわゆる特注にしても、そんなに高くないんです。
もし目が飛び出るほど高くなった経験がおありの方がいるとすれば、
材料や機能などの仕様をグレードアップしたことが原因だと思って間違いないです。
山梨市の住宅でも浴室を在来工法とし、床と壁をタイルで仕上げました。
在来の浴室で問題になるのが、目地の掃除。
カビが生えるから嫌だ。よくわかります。
ここでは目地を黒くして、汚れを目立たなくしています。
決して汚れがつかない訳ではないですが、大目に見れる、という利点がある。
雰囲気もレトロな感じになって、ピカピカの新品っぽくありません。
完全なる解決という訳ではないですが、
こんな在来工法の浴室はいかがですか?

段ボール切り

次週から始まる「小屋展」に向けて、設営準備を始めています。
小屋展の裏テーマとして、段ボールとこどものための空間づくり、
というのがあります。
昨年のキラリナで展示をした、「テント展」のときのように、
こどもでしか体感できない、小さな空間を会場でいくつか再現したいと
考えています。
そして素材を段ボールに限定することで、
もしかしたら自分にもできるかも?!と思ってくれる大人がいれば
セルフビルドでできるような空間づくり。
あくまで裏テーマなので、完全に目標をトレースしているわけでは
ないですが、そんな気持ちで作業中です。
昨日はギャラリーの近くに事務所兼自宅を構えた
A-SA工房の佐藤さんの駐車場をお借りして、切出し作業。
他の二人は作業していると暖かいね、というけれど
私は寒かった~~。
いつも現場で作業されている職人さんに頭が下がります。
みなさん全くどんなものが出来上がるのかわからないと思いますが、
それは会場に来てからのお楽しみ、ということで。
1/20からの「小屋展」よろしくお願いします。

国分寺 小屋展のお知らせ


ちょっと小さな空間。
身をかがめないと入れない入り口。
外から見ると決して広さは感じないけれども、入ってみるとなかなか居心地いい空間って多いんです。
中央線ケンチク会では、国分寺のカフェスローギャラリーをお借りして、そういった小さな空間をご紹介する展示会を開催します。
会場には、現物のままとはいかないものの、大人なら少しかがんで、子供なら喜んで体験できる空間もご用意しようとメンバーが正月明けから苦心しています。
来週、土曜日から開催します。
ご来場お待ちしております。

2018 あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。
年末年始はゆっくり過ごされましたか。
私はいろいろな親族に会う、正月らしい日々を過ごすことができました。
実家2カ所を訪れ、年越しそばを打ち、おせちを食べ、温泉に入り、薪を割り、ベーコンを作る。
書いてみると忙しそうですが、なかなかゆったりしていました。
薪割りをやりすぎて、右肩が痛いのが難点です。
昨年竣工した佛念寺庫裏に、新年のご挨拶に行ってきました。
写真はそのときのもの。
春には外構工事が完了する予定です。
本堂脇にひっそりたたずむ、控えめな建物です。
ことしもこちらで家づくりのこと、日常のことなど
気軽に記事にしていく予定です。
たまに見に来ていただけると幸いです。

引き戸を使うと実現できる部屋と部屋のつながり


みなさんが間取りを考えているとき、部屋と部屋の境い目には線がありますよね。この線は、現実の住まいでは壁だったり、建具だったりします。
建具には主に、丁番を軸にして回転して開く開き戸と、扉の上もしくは下にローラーがあり壁に沿って動く引き戸の二種類があります。
わたしはこのうち引き戸をうまく使うと効果的な住まいができると考えていて、よく利用します。
写真の真ん中にあるのが玄関です。
実は玄関の向こう側にもこちら側にも引き戸があるのです。この場合は引き込み戸と呼んでいます。開けた時に扉が壁の中に仕舞われてしまうからです。
開いている時には手前の部屋と玄関がつながって、ひとつの部屋のように見えませんか。奥の部屋と玄関も同じ関係ですよね。
扉の存在が薄れているので、間取りを考えていた時の線がなくなっているかのようです。
とはいえ効果的な引き戸を実現するためには、しっかりとした設計、図面が必要です。開き戸と違って、ひとが歩かない先に扉だけが移動するので、壁につけたかったコンセントやスイッチの位置に制限ができたり、天井いっぱいの高さの建具をつくるのが難しかったりと、すっきり見せているところにこそ苦労が隠れています。
良い設計には良い引き戸が使われていると思いますよ。一度本を見てみてください。

リビングとダイニングを分ける良さ


LDK至上主義になっていませんか?
LDKが広いといい!
他の部屋を狭くしてでも広く、とか。
その時の前提として、
リビングとダイニングとキッチンをひとつにしていますよね。
果たして三つがひとつになることが正解なのか。疑ってみることも大事です。
リビングを「客間」ととらえると、日常的な場からは離した方がすっきりします。
またキッチンを「厨房」のようにガンガンと料理をしたいひとは、扉を開けてキッチンがあるほうが、LDが汚れなくて済みます。猫などペットを部屋飼いしている人も、別れていた方が安心です。
写真の家では、来客をダイニングに通すのでリビングと分けたい、というご要望でした。手前がダイニング。玄関を挟んだ向こうがリビングです。玄関は土間の下足空間ですが、スノコを敷いて行き来もしています。
食事時間からリラックスの時間までをずるずると移行しないことにも役立ちますよね。
固定観念を持たず、生活スタイルに合った家づくりをする。満足のための第一歩です。

家は建てた後も育てていくもの 外構は後工事で!

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家づくりをお手伝いしながら、いつも悩ましいのがコスト。
できることならクライアントの夢を全てかなえてお渡ししたいのだけれど
当たり前のことですが予算には限度があり、夢は膨らむばかりだったりします。
そこでかなり初期段階で、「これは後工事ですね~」となってしまうのが
外構、植栽工事。
悪いことではありません。住んでみて、部屋内から見た目線、
見せたい景色、隠したい邪魔なものをひとつひとつ考えながら
木を植えた方が良いことだって多いのです。
とはいえ、こちらが想定していなかった大木が植えられた、とか
アプローチの向きが変わってしまった、などということが無いように
外構植栽の計画はお渡しして、樹種の選定、イメージの共有までは
設計の段階でお手伝いしています。
写真にある山梨市の住宅の場合、竣工当初、外構は全くありませんでした。
存在していたのは、写真左下にあるインターホンとポストが付いた塀と
駐車場の砂利、くらいなもの。
あとの全ての植栽、アプローチのコンクリートなどは全て施主工事!
コンクリートを打った、と聞いた時には驚きましたが
木の植え方、土の盛り方など、始めてやったとは思えない出来栄えで
もう大拍手!!施主の鏡みたいな存在です。
さすがに敷地境界のブロックは業者に頼んで置いてもらったようですが、
実はブロックの奥には、排水の水勾配の関係で想定より少し高い位置に
接地されてしまった浄化槽の蓋が露出していました。
うまく盛り土と植栽で隠されていますよね。
家づくりの大きなストーリーと、ぶれない骨格をちゃんと作ること。
そして住む人が心地よくそのストーリーを引き継げるようにすること。
大事なことを再認識させてもらった出来事でした。

常に工事中?横浜駅


打ち合わせで久々に横浜駅へ。
噂には聞いていましたが、工事中です。
横浜駅は開業以来、かなり長期に渡り工事中らしく、
今回はたまたま出た西口に巨大な駅ビルを建設中でした。
あまりに大きすぎな新宿駅や、
埼京線は恵比寿でしょ的な渋谷駅に比べると、
駅の構造がシンプルで、ホーム上に改札がないところは好みでした。
JRのホームは上に登る階段、エレベーターがないので、見通しが良く、
入線した列車が端から端まで見える
ダイナミックさがいい。
駅ビルができると変わってしまうのかな。
駅の建築は利便性よりも、
情緒、ストーリー性があるほうが良いと思いませんか?
たとえば、原宿駅は木造駅舎をやめてしまうらしいし。
がんばれ、設計者。がんばれ、横浜駅。

ミルク酵母のドイツパン

茗荷谷にあるマールツァイト。
ミルク酵母のドイツパンを作っているところです。
天然酵母のパンには果実、酒種などいろいろありますが、
ここは牛乳。やっぱりミルク酵母独特の味があります。
最初は牛乳のにおいが強く感じてどうかな~と思いましたが、
食べているとそれがおいしく感じる。
しかも買ってからも発酵が続いているようで
パンの味が少しづつ変わっていくんです。
発酵が進んだパンが好きな人は、数日たって安くなったパンだけを
買いに来る人もいるとか。
かれこれ10年くらい、何かの折にお世話になっているパンです。
しばしおいしいパン生活を味わいます~。