納まり


材料と材料のぶつかるところ、ここをディテールとか納まりなどと呼んで、細かく指示をするのも私たちの役割です。しかし我々が全てを把握して事前に決定しているわけではなく、工務店と一緒に考えたり、提案をもらったりしながら進められる現場は活気があって、結果的に良いモノづくりができると思います。
お盆前の引き渡しに向けて着々と進む根岸のリノベーションでも、上記のような部分がたくさんあります。その一つの例が写真にある、鴨居の納まり。四枚片引き障子の幅広鴨居と、二枚引き違いの鴨居が柱なしでぶつかります。どちらかの鴨居が端まで行って、小口を見せるのではなく、曲がりの端部でそれぞれの鴨居が45度カットされていることを留め(トメ)と呼びますが、それも幅が同じ場合に可能なこと。スタイルの藤井さんから、トメでやりますと聞いてはいたものの、どう加工するか深くは聞けず、楽しみに待っていました。出来上がりがこれ。
写真をみてもどう加工しているか、わからない人のために、これをどうぞ。

ちょうど同じ加工の敷居バージョンを切っているところを見れました。現場で手ノコギリで切っていました。既に建具が滑る溝が彫られてあり、失敗は許されない部分。見ていてカッコいい仕事ッぷりでした。

現場はしぶとく


禁句をひと言。 暑いですねー!
一般的にデザインの仕事はデスクワークが多いイメージでしょうか。
しかし今週は一日も席を温める暇なく打ち合わせなどの連続。おかげさまで真夏日を体感させていただいております。
外に出てみると、夏はエアコンの冷気にあたっているより、汗をかいたほうが体調良いです。あたりまえですかね?失礼しました!
さてこの暑い中進む根岸のリノベーション。現場段階でも微修正を加えながら、オンリーワンの住まいづくりを目指します。昨日は工務店のコーナーをお借りして、クライアントと共に午前中から3時間、しかも昼抜き!で打ち合わせ。
手に触れる部分の建具金物サンプル確認、造作のキッチンや家具の製作図確認、玄関収納に組み込むツクバイをどう作るかなど、ひとつひとつ確認しながら進めています。ご主人は仕上がり具合に、奥様はスッキリ収納にこだわりがあり、今回も宿題をいただきました。
現場段階での微修正はしぶとく、粘っこく追い続けると、必ず良い方向に向かうもの。工務店が逃げ腰になることもよくありますが、今回の工務店、スタイルさんは前のめりでなかなか良い対応をしてくれています。あとは仕上がり具合ですね。
私は昼抜き!のまま夕方まで現場チェックをして、あの暑さの中作業される職人さんをねぎらって、やっと帰りに駅前で京樽寿司にありつけました。(笑)
食欲があれば、夏も乗り越えられるでしょう。みなさんもお身体ご自愛下さいね!

元気カラー


着々と進む根岸のリノベーション。施主にもお越しいただいて、色・素材決めの最終確認をしました。
テーマは元気の出る色!終の住処として、落ち着いた色合いを要所には使いながら、背景となる部分には写真にあるような赤味のある黄色を大胆に使う予定です。
これまでの打ち合わせでも何度か提示し、セレクトして残っていた2候補の色を現場の光の中で再確認。明るい場所、暗い場所、電球色LEDに照らすなどさまざまな場面においてみました。職人からすると微妙な色の違いではあるのですが、受ける印象はまるで異なります。ごめんなさい、写真は一色しか映していませんでしたね。
いずれにしても施主も一緒になってこだわった元気カラー。ディテールの納めかたひとつでこれまた印象が変わるところですから、気を抜かずに監理を続けたいと思います。

墨出し確認


解体開始から一週間で墨出しが完了しました。墨出し、とは設計図を現場の床や天井に実際に落としてみることを指します。マンションの管理会社から図面をもらい、自分たちで現地を採寸してはいるものの、想定とは異なる事態が発生するかどうかが、この段階で判明します。新築ではなくリフォームなので、そこも与条件として逐一解決してゆきます。
事前に電話でやり取りしてはいたものの、今日になって問題発覚!ということも覚悟していましたが、行ってみると、全て問題無く墨出しができていました。これもマンションが大手ゼネコン工事のおかげなのかもしれません。
クライアントも同席し、以前に結露しやすかった壁に追加で断熱材を吹き付けるなど、住んでいるからこその情報をもらって、さらに良いものに仕上げてゆく準備は整いました。
工事はここからが本番です。夏の暑さが待っています。私が向かう駅からの登り坂もますます急に感じるようになってきました。さあ、一踏ん張り頑張りたいと思います。

解体工事がはじまりました


年の初めから進んでいた根岸のマンションリフォーム。
設計にしっかりと時間をいただき、半年経って解体工事が始まりました。
今日はそのチェック。
残すべきもの、壊す範囲などを工務店と細かに打合せ。
既存のもので利用できるものはうまく利用して、
メインの空間には手を抜かず仕上る予定です。
リフォームといっても水廻りをすべて更新し、間仕切りも撤去するので
クライアントには約2か月間仮住まいをしていただきます。
短期間の仮住まいなので、なかなか見つからなかったと聞いています。
いろいろご苦労おかけしています。
お盆前には完成の予定。
着々と進む現場の様子をまたこちらに書いてゆきたいと思います。

壁紙選び

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週末はクライアントとショールーム巡り。
ポイントとなる壁紙を選びに新宿オゾンのテシードへ行ってきました。
ベースとなる壁紙は白。部分的に柄ものを使おうということで、
ご夫婦2人にコネクト2人も参加して、計4人でじっくりとセレクトしました。
素材や色のコーディネイトは全体の方向性や統一感を提案した上で
具体的な品番や色を決めていきますが、
もちろんクライアントの好みも織り交ぜながら決めていくもの。
特に色や柄は個人の好みに左右されるところですが、
毎回クライアントの好みを自分にもインプットしたうえで全体を
アジャストしているつもりです。
そんな時に、「あ、これいいな」と思えるものが
クライアントと同じになっていると、全体の雰囲気がうまく合ってくるもの。
今回もそのような場面がありました。
ひとつひとつクライアントと共に作り上げる住まいづくりです!

山梨へご案内


今日は一日山梨活動でした。
午前中は設計中の横浜のクライアントをお連れして、一昨年に竣工した愛宕の家を訪問。色、素材、建具の使い勝手、造作家具で作ったキッチンなどを計画中のものと比較しながら見学いただいた。
我々はショールームなど持てない。そこを写真で見るだけでなく、空間を実体験していただく機会を作っていただけた愛宕の家のクライアントには大感謝だし、移動時間を割いてきていただけた横浜のクライアントにも大感謝。
午後は山梨事務所を兼ねた10年前設計の家で打ち合わせ。愛宕の家と山梨事務所は色、素材の濃淡が正反対の方向なので、色のお話しをする前に見学してもらえてちょうど良かった。
単に色や素材といっても、小さなサンプルやコンピュータの画面で見るものと、実物とではまったく異なるもの。広がり感・質感・経年変化・メンテナンス方法などこちらからお伝えしたいことはたくさんあるのです。
横浜のクライアントには夕方まで時間をいただいて、たっぷり打ち合わせ。お疲れさまでした。