事務所移転へ

事務所を移転することになりました。
千代田区にある共同事務所、co-labをずっと借りていました。
クリエイターが100人近くいる環境と、
巨大な共用スペースと複合機、
そしてなんといってもカタログ・サンプルの豊富な置き場所に
魅力を感じて使い続けていました。
co-labが六本木に設立されて半年後に入居したので
六本木時代を含めると約6年になります。
中野の自宅から市ヶ谷まで総武線で一本だったので良かったものの
11月には市ヶ谷から別の場所に移転することが決まっています。
これが良いタイミングだと思っていました。
一方で妻と共同の事務所を設立する方向で調整を始めたこともあり
半年前の5月末で退会することとなりました。
こちらについてはまた別途詳しく書きたいと思います。
昨日、退会届の書類に判を押して提出。
新しい事務所は吉祥寺に設けたいと思っていますが
しばらくは中野自宅を拠点にします。
吉祥寺~と考えていたら、夕方は吉祥寺住まいのプロダクトデザイナー、
Qurzの島村氏方との打合せでさっそく行くことに。
ん~何か引かれてるかも。

前事務所OB会

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2002年まで勤めていた設計事務所のOB会に初参加。
仙田満という建築家の事務所、
環境デザイン研究所」というところに所属していた。
すでに社歴40年。栄枯盛衰の激しい設計業界の中では
十分歴史がある会社だろう。
OB会というので気楽に行ってみたものの、
40人近い出席者のうち、私が下から2番目に若い方でびっくり。
知らない人が半数以上いて
還暦を過ぎた元所員の方がすでに3人もいるのだから仕方ない。
お世話になった先輩方に久しぶりに対面した懐かしい夜でした。

管理建築士講習会

建築関連法律の改正に伴って始まった
管理建築士のための講習会に参加してきた。
テストに合格しないとダメなので、寝ないで必死に聞く。
改正された法律の内容だけを履修するのかと思いきや
事務所を管理するためのノウハウまで指南いただいた。
基本はコンプライアンスのための建築と一般法律の話なのだが、
後半になるにつれ、紛争処理、設計事務所損保などの
今までに経験したことのない、
だけどリアルな危機管理についての事例の話が続いた。
朝から計5人の講師が話すのだけど、
最後の講師は東京海上の人。
話の仕方も一番上手で、何だかうまい話だな~と
納得している自分がはめられているような気がした。
5月末に結果発表予定。プチどきどき。
話は変わって、トイレのこと。
イベント会場で女性トイレに行列ができているのをよく見ますが
今回はその男性版を体験しました。
会場900人のほとんどが男性で、休憩15分に殺到するものだから
長蛇の列。
女性のつらさを実感しました。

映画の日 チェンジリング

少し前の話ですが毎月一日は映画の日に合わせて、午前中は映画観賞。
自営業ゆえ可能な時間調整です。
夫婦で片方がセレクトし、もう片方は拒否権なしで見ます。
4月は私セレクト。静かな映画が見たかった。
C・イーストウッド監督というのも選択理由。
A・ジョリーが出ているとは知らず、
前回のベンジャミンバトンに引き続き夫婦の作品を見ることに。
母子家庭の一人息子を誘拐され、数ヵ月後に警察から
まったく見知らぬ子が息子だとあてがわれる女性の話。
マスコミと警察が事件の真実を隠蔽してしまい、
それに立ち向かう個人の心の強さを表現している。
作り話ではないので、ある意味予測できるストーリーであり、
ハリウッド的な見せ場が無い。
だからこそ丁寧な作られ方をした映画で、そこが好印象。
A・ジョリーは筋肉を落とし、肉のつき方を変え、
仕草も古い時代の女性らしいふるまいを演じていて、
ところどころ、スゴっと思う演技をしている。
面白い映画ではない。しっかりした映画だ。

最近読んだ本 「郊外の社会学」若林幹夫

「郊外の社会学―現代を生きる形」若林幹夫、ちくま新書649
私が学生の頃に比べて建築家が都市について語ったり、
問題提起をしたりする機会がずいぶん減った。
右肩上がりの経済を背景にした時期には夢を伴って都市を構想することができたからだろう。
現実には法律や経済、そして人間の脳みそが都市を支配していて
あまりに複雑にできあがったものの上に多くの生活が成立していることが
思考停止状態を生み出しているのでは?と思う。
とはいえ、建物を設計する仕事をしていると、たった一つの建物を設計していても
その建物が面している通りから、もっと広い広がりを考えないではいられない。
性分とでもいうのだろうか。
そこで私は一つの方法でこれから都市を考えて行きたいと思っている。
キーワードは郊外だ。
何故か。
自分がそこで育ったから。
もう少し具体的に言うと、団地。
私にとっても都市というものは考えたり、しゃべったりするのは難しいと感じてきた。
それを自分が育った環境から考えればいいんじゃないかと最近は思っている。
前置きが長くなりました。
この本は都市を考える時の一つのツールとしてある、郊外の現実を
具体的に記述しようとしている、ということです。
経済性や商業主義がベースになって作られた郊外に
これからどのような未来を作っていくべきかを知るためには
読んでおくべき本だろう。
だけれど、読み終えてふと思ったのは、
郊外にはない、地域の風土とか歴史、コミュニティって
日本人だからこそ、山、川、風景、気候といった自然のものから
産み出されたものだったろうけど、そういうものがないところで
育った人には、何が規範になるんだろうという疑問。
土地そのものを作っちゃうオランダ人ならどう思うとか。
その時にはやっぱり規範は人間同士が作るしかないと思う。

太陽光発電について勉強する

29日、「太陽光発電・太陽熱利用促進シンポジウム」に参加した。
設計の中に太陽光発電を取り入れた実績がまだなく、
設計者としての情報収集、
付けたいと思っている人がどのくらいいらっしゃるのか、
行政補助金の現状などをまとめてリサーチできる機会になった。
補助金の状況を見ると、この4月から国と東京都合わせて
1kw当たり17万円に増える。
区によってはさらに独自の補助を出すところもあり、
今年から数年はまさに太陽光発電は2度目の急成長期になるだろう。
さらに発電した電力の買取金額が倍額程度になる案も
国は検討を始めたらしい。これが決まると、かなり爆発的に
太陽光発電設置希望者が増えるだろう。
増額した分の費用負担が電気料金に反映されることに
なるだろうけど、中東から石油を買って火力発電を増やすよりは
日本の中で自給するという方向に少なからずなるのだから、
インフラとしても安定度が増すことになっていいと思う。
当日のパネリストには環境に関するNPO法人を運営する方が
数人出席されており、それぞれにとても魅力のある活動をされていた。
日本の太陽光発電は個人住宅の割合が圧倒的に高く、
世界でも例がない。これは儲かる仕組みがあるから増えているEUとは
異なり、日本人として誇りに思ってよいことだ、
と語っていた都築さん。
過去と現状を肯定的にとらえたうえで現在の活動があることが
とても素晴らしいと思った。

エコライフ勉強会 NO,1-地中熱ヒートポンプ

今年の1月、地中熱を利用したヒートポンプの実例を見学する勉強会を開催しました。
エコライフのための建築・住宅を作りたいと常々考えています。
そこにはデザインだけではどうしても解決できない技術や素材の知見が必要になります。
小規模な設計事務所であっても適材適所の引き出しを用意しておきたいもの。
それもカタログやショールームにあるものではなく、
実体験や現物としてどういうものなのかを知っておかなければ意味がありません。
そこで勉強会というかたちで、ひょんなことからお知り合いになれた
ジオシステムの高杉氏を講師に、勉強会を開催したのです。
声をかけたのは、知人の建築家数名。
ビルが小さいので10名まで限定の勉強会でした。
エアコンで空冷式とか、水冷式と言う言葉を聞いたことはありませんか。
今の主流は空冷式です。エアコンには室外機がありますが、
あれは外の空気から冷たい熱や暖かい熱を取り出しているのです。
室外機の排気は冬は冷たく、夏は暖かくなるのはそのためです。
ヒートアイランドが起きる原因の一つがこの空冷式のエアコンです。
じゃあ空気から熱を取るんじゃなくて、他の方法はないの?
その一つがこの地中熱ヒートポンプというものです。
ヒートポンプとは熱を作る機械のことで、室外機に入っています。
井戸水が年中同じ水温なのと同じで、土の中も温度は一定なので、
冬は外気より暖かく、夏は反対に冷たい。
そこで地中に穴を掘って、不凍液を循環させることで、地下の熱を利用しようというもの。
循環するのが水なので、室外機としては水冷式のカテゴリーに入る。
見学したのは港区にある事務所ビルの改修の現場。
駐車場スペースを利用して、地中に穴を掘り、屋上にある
室外機まで不凍液を循環させています。
エコライフ勉強会090116-00
マンホールのようなところから、地下へ管が延びてる。
エコライフ勉強会090116-01
寒い日でしたね。
屋上に不凍液のタンクが設置されています。
エコライフ勉強会090116-02
正面に見えるのが、室外機=ヒートポンプ。
この事例の場合は地中熱を利用した水冷式に、空冷式のシステムも
併用しているので、背の高いヒートポンプでした。
高杉さんの説明によると、日本ではまだ採用された事例が少ないので
どうしても工事コストが高くなってしまって
採算が合うのは20年程ということ。
驚いたのが、このシステムが最も普及しているのがアメリカで、
日本の数千倍のエネルギー量を地中熱からとっているということ。
ヨーロッパや北欧がそこそこ普及が進んでいるのは想像つきましたが
アメリカが一番だとはね。日本はかなり遅れているようです。
今年の政策では太陽光発電に対する補助金が復活するようですが、
空の狭い都市部では太陽光の恩恵を受けるには限界があるように思う。
詳しいことはわからないけど。
それよりは、都市部でも地中熱は等しく享受できるのだから
このシステムがもっと普及するといい。

SUMIKA project-2

前回に引き続き、宇都宮のSUMIKA Projectの見学記。
建物を見た順番としては、伊東さんのパヴィリオンでDVDを解説を受け、
次が西沢大良の住宅でした。
西沢さんと前回紹介した藤本さんの家は隣り同士。
場所はパヴィリオンからはバスで10分ぐらい移動した住宅地の中です。
近所は広めの敷地と手入れのされた生垣植栽のあるような住宅地で、
宇都宮と言う場所柄、大谷石の蔵や塀がある家も多く
古くからある住宅地のおもむき。
藤森照信の住宅は西沢・藤本の敷地から歩くこと5分ちょいの場所。
3人の場所はどうやって決めたんでしょうね。
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西沢さんの家のソファからダイニングテーブルと庭方向を眺めたところ。
前の黒い扉は外壁のほぼ全てにめぐっており、開放することができるもの。
扉を閉めると、屋根越しの天井からの光を感じるというもの。
トップライトの自然光が生活に応じた場所に届くように計算されている
というのだが、それにはあまりピンとこなかった。
新しい視点かもしれないけど、実現するための方法に無理を感じるし
それによって生じる問題が解決できてないと思う。
例えば雨と風のあるときは外壁を閉じないと雨が入るけど、
閉じると昼間でも暗そう、とか
夏場は天井が熱気だまりになって、風のない日は住めないんじゃないかとか。
それよりは、天井に設けられたルーバーが中空ポリカを使っていて
中空ポリカに反射した光が素敵だったこととか
水廻りの前の仕上げが芝!になってて、
室内の土間を芝仕上げにするのは面白そうとか
鋼管杭で直接屋根を支える構造とか
おそらく西沢さんにとっては本題でないところが見所満載な建物でした。
ちなみに、便所の外壁も黒い扉になっていて、
便器脇の扉も開くようになってました。
開けようとしたらうまく開かなかったけど、
隣接するお風呂がオープンでフリーになると思うと、
お風呂の開き方として、ガラスのある窓じゃなくて、
鉄扉をつかって開け閉めするというのはアリ。

燃料電池ってなに

燃料電池ってコトバは知っていたけど、実物を見ないと
頭に知識が入ってこないタイプなので、見てみたいとずっと思っていた。
それが今年に入って、見るというかちゃんと説明してもらえる機会が
あったので行ってみた。
宇都宮のSUMIKAprojectと同じ東京ガスさん。
北千住のテクノハウスに行ってきました。
本当はこっちが最初で、「SUMIKAも見たい~」と
騒いでいたら、ちゃんと企画をしていただけたのでした。
燃料電池の話。
燃料電池
モデルハウスで写真をバシバシ撮っていたら、
撮影は禁止です~、と最後の方になって言われたので
今回はネットにある画像ですが、実物もこんなものでした。
エコキュートの給湯タンクと室外機のセットとほぼ同じサイズ。
これで電気を作るわけです。熱が出るのでお湯も作れる。
燃料は都市ガス。
燃料電池というシステム自体は都市ガス以外にもいろんな
燃料があるようですが、
H2+O→H20
という空気中の酸素と、用意した水素を化学反応させて
水を作るときにできる電気と熱を利用するのが一般的らしい。
詳しくはWikipediaででも。
見学時はお値段未定でしたが、今は公開されてますね。
346.5万円也。
外車が一台買える値段でございます。
いくら電気とお湯作るからと言ってもまだまだ高い。
液晶テレビとかハイブリッド車のように
ある程度の数が売れれば安くなるんでしょうけど、
住宅ものは限りがあるでしょうね。
エコに関する設備は今のところ補助金がないと
設置数に拍車がかからないのが実情でしょう。
自家発電はエネルギーの分散化として効率がいいことは
わかっているので、燃料電池はその最有力候補のはず。
今は高くても5年後ぐらいには今のエコキュートぐらい
一般化しているのではないかと想像します。
この見学会もPanasonicの建築相談会メンバーと行ったのですが
建築家の一人が、
「電気は作ることができても貯めておけない。すぐ使わないといけない。
ガスと水は止めて、使わなくても問題ない。そこが大きな違い。
これからは電気を作ることより、電気を貯める技術の開発が大事だ。」
と言っていた。
なるほどナー。
携帯電話にしてもハイブリッド車にしても
充電池の進化がないと進まなかった技術ですからね。
それと説明を聞いていて不思議だったのが
もともと無臭のガスにわざわざ臭いをつけて供給しているのを
燃料電池ではさらにその臭い元を取るために結構な装置が
入っていることでした。化学反応に邪魔らしい。
だったらガスメーターに臭いをつける装置を付加するとか
別の方法にすればいいじゃん、と思ったのでした。

Panasonic汐留相談会

Panasonic電工汐留ショールームで相談会。
Panaさんのショールームで相談会の一員になって、4年目です。
相談会というのは、ショールームサービスの一つになっていて
持ち帰って検討、とか図面を描くということにならないことなら
何でも無料で受け付けます、というもの。
この土地に賃貸マンションは建つのか?とか
外壁の色が決められない相談にのって、など
いろいろ。
昨日はハウスメーカーにプランをしてもらったけど、評価してもらいたい
という依頼でした。
これはある意味とてもうまい利用の仕方で、
人によっては、何度も足を運んでいろんな建築家の意見を
聞いている人もいるみたい。
始めた頃は他人の描いたプランはとにかく直したくなってしまって
制約の少ない敷地の場合は、
その場でプランを描いてしまうことも多かったけど、
ハウスメーカーや工務店だけではできないかなぁと思いながら
プランニングしていたし、相談会だけでのお付き合いなので
その後そのプランがどうなったか把握できないので
最近はもう少し俯瞰的なアドバイスをすることにしています。
話は変わりますが
panasonicの建材系の商品がだんだん良くなってきた。
家電と建材のハイブリッドという点では
キッチンとか水廻りのいわゆる設備ものが洗練してきてます。
一度足を運ばれることをオススメします。
ちなみに汐留は今月改装中。
来月には深澤さんのデザインした照明の展示が始まるらしい。
4月になったら是非。