夏の旅行記02 新旧の手仕事


ウィーンのシュテファン大聖堂はヨーロッパでも指折りの聖堂のひとつでしょう。
こういった聖堂が街なか、それもメインのショッピングストリートに
突然ボンッと存在しているのが素晴らしい。
銀座や表参道を歩いていたら、道の途中に神社の本殿が建っているようなもの。
ん~、建物に対する文化が違うから、比較はできませんねえ。
明治神宮は長い砂利の参道がいいわけですから。
いずれにしてもその唐突感が面白いのが、街の中心にあるドゥオーモ。
カラフルな屋根、荘厳なステンドグラス、街を見下ろす塔など見どころいっぱいの
建物ですが、ふと疲れてベンチに座っていても、気づくことがいっぱい。
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躯体のヒダヒダに、ぴったり合うように作られたベンチの形状。
型紙があるのかもしれませんが、そう簡単に合うもんじゃないと思うのですが。
そしてスピーカー。
BOSEって書いてあるけど、このために作ったの?というくらい
建物にマッチしていました。
柱にしても、素材は何?石であれば削り出しているのか?大きなレンガみたいなもの?どう加工すればこの形になるの?と疑問は尽きず。
こんな形状のベンチは、職人技的な手作業をするマイスターが作っているはず。
もちろん街を散策していると、そんな手作業は新しい建物でも、いろんなところに見られるものです。
下はフンデルト・ワッサーという芸術家が設計した集合住宅です。
かなりカラフル&装飾&曲線使いな建物。私は決して真似できない。
そこに使ってあるタイルが、どう見ても一品生産もの。
わたしの経験ではたとえタイルを特注することができても、数百平米からのロットが必要なハズ。一つづつ作る、なんて
可能なのかな。
建物のための部品をカタログから選ぶことが多い我々の設計方法では、人に感動を与えられないぞ、と気を引き締めた次第です。
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