起工式



先週のことになりますが、山梨の佛念寺庫裏は起工式を行いました。
平日の昼間にもかかわらず、住職、総代、建設委員、総勢40名ほどのキックオフとなりました。
黒部工務店の社長と共に前列に座した私も若干緊張気味。
仏式の地鎮祭とは、工事の安全を「神に祈る」のではなく、「関係者皆で心待ちをつくる」ということでした。これもなかなか良いですね。
今回特殊だったのが、地鎮祭の場合の神主さまに当たる住職が、施主でもあるということ。自ら式を仕切るので、終わってから数日して、ひとつ肩の荷が下りてホッとしました~、と伺いました。ごくろうさまです。
起工式のあとは、地縄を見ながら建物の説明、外装材のプレゼン、黒部工務店との定例会議、と盛りだくさんな1日でした。
さあ、工事スタート。頑張ります!

工事契約 解体完了

年末に施工会社が決まってから、金額調整を重ね
ようやく先日工事契約を結ぶことができました。
関係者のみなさま、これでひと山超えることができました。
ごくろうさまでした。
現場は先行して解体工事を進めており、既存庫裏は無くなって
更地の状態になっていました。
江戸時代に建てられた本堂の横に建てさせてもらいます。
17日には関係者一同集まって起工式が開かれる予定です。
お寺なので、神社の宮司ではなく、住職がおこなう仏式のものになるそうです。
住職は施主でもあり、いろんな意味で普段と勝手が違いそう。
施主にとっては、引越しし、今まで住んでいた建物が壊され、
という環境の変化に心労が重なる時期。
起工式が過ぎれば少しは落ち着いていただけるでしょうか。
敷地は接道側から少し奥まっており、表からは見えにくい場所。
写真の風景も建物がないこの時期だけの風景。
施主の親子はここぞとばかりにサッカーをして楽しんだそうです。
工事中も楽しんで現場を見ていただけるような気がしてきました。

三者顔合わせ


少し前のことになりますが、山梨で進めている佛念寺庫裏の建て替えプロジェクトは、年末に施工会社が決まりました。
施主のはからいで、施工と設計を合わせた3者の顔合わせ会が、新年会を兼ねて、解体前の庫裏で催されました。
こうして顔を合わせてモノを作るのが、建築です。ありがとうございます。

ショールームで確認

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キッチンにこだわる。いや、こだわるつもりなどなくてもクライアントごとに全く異なるのがキッチンだ。奥様のこだわりポイントは以下のようなもの。

・対面キッチンとし、朝食が食べられるカウンターがほしい

・キッチン下の湿気が気になるので、扉なし、ステンレスフレームとしたい。

・天板もステンレス

・コンロはガス

・水栓はホースシャワー付き、ビルドイン浄水器、井戸水の3本

 

まず思いついたのが、業務用キッチン。簡素だが質実剛健。中華を大火力で炒めたりするにはもってこい。どんな形でも作れるが、既製品ではないので、それほど安くはない。

 

しかし打ち合わせを重ねるうちに問題が発生。実物が見たい、と。

そうですよね、使い勝手は実体験でしかわからない。

ということでステンレスフレームの家庭用キッチンを探すことに。

 

見つけたのが、Ekreaというキッチンパーツを組み合わせて、オリジナルのキッチンづくりをサポートしている会社。WEBが中心の様子だが、茗荷谷にショールームもあるらしい、ということで向かってみた。

 

1階のショールームには見たことのないキッチン水栓がついた高級そうなキッチンセットが並べられ、ん~選択間違えたか?と思いきや、一般には開放していない地下のスペースにリーズナブルなキッチンがいくつかある。

 

ここでは良い出会いがあった。Ekreaさんはキッチンだけでなく、住宅の施工会社が始まりで、よいものを安く供給するためにキッチンも売るようになったのだとか。どうりで担当者の説得力がそこらのメーカーとは大違い。我々も納得できる、これぞ営業、という話が聞けた。クライアントも担当者の営業力が気に入ったのか、商品が気に入ったのか、いまのところEkreaのステンレスフレームキッチンが第一候補になっている。他にもいくつか候補は上がっているので、最終的にどの選択肢となるかは半年後くらい先のことだ。

 

キッチンは本体以外にも加熱機器、レンジフード、水栓器具などを選ぶので、東京ガスにお連れした。キッチンの要、コンロは消耗品である、というのがわたしの考え方。特に毎日のようにグリルで魚を焼く場合、グリルから先に壊れてしまう。いまのところ、ガスコンロではグリル部分だけの交換はできない。IHコンロでは交換可能なものもあるらしいのだが。

 

消耗品だからといって、適当なものにすることはなく、反対に毎日数回使うものなのだから機能にもデザインにも満足いくものを選ぶべきだ。その点、東京ガスの新宿ショールームには様々なガス機器が展示してあり、選択の幅があるので、いちどいかれることをお勧めする。もちろんガスコンロだけですが。

ショールームで確認 3

次に向かったのがDAIKENさん。

既製品の木製建具やフローリングなど様々な種類の建材を扱っているのだけど、設計事務所が使うのは表に見えてこない機能性材料が多く、ショールームに行く機会はこれまで少なかった。

今回は畳、掘りごたつなどいくつかを考えている。

 

まずは畳。住まいがコンパクトなほど使用面積が減ってきている建材ですね。畳のある部屋といえば、客間、寝室、居間でしょうか。

住まいをコンパクトにしようとすると客間はそもそも設けない。

寝室は老後にベッドにするならフローリングがいい。

居間は畳かフローリングかというと圧倒的にフローリングの方が使い勝手が良い。

というふうに、畳の部屋になることはまれであったりします。

 

しかし庫裏のクライアントはお坊さん。畳に座すことが仕事のようなもの。日常生活も畳が基本。それもあってか居間は「畳に掘りごたつ」がご希望でした。

 

ダイケンでは畳表に撚った和紙を使った和紙畳というものがあり、い草の畳に比べて耐久性、色落ちしにくい、汚れにくい、といった利点があったので採用することに。6畳のひと部屋に敷いてあった和紙畳は、言われないと和紙であることに気づく人はいないほど普通の畳。これならば問題ない。

 

この和紙畳は庫裏の共有部分にある、ちょっとした会合ができるように設けられた仏間にも使う予定。実は仏間は高齢者に配慮して、床座ではなく椅子座の予定。和室用に脚の着地部分の形状が工夫された椅子を使う予定だが、椅子を擦ったり、机の重さが載ったりとハードな使用にどこまで耐えられるか、これから先も注意して見てゆく予定。

 

最後に掘りごたつ。フローリング敷の設計が多いとはいえ、畳の場所に掘りごたつを設ける事例はいくつか経験している。畳の部屋に机を置く場合は掘りごたつでないと長時間座っていられないので、畳と掘りごたつはセットでご要望されることが多い。

 

掘りごたつでクライアントが気にされるところが清掃性。足の置かれるところに熱源があるタイプだとどうしてもスノコ敷となって、スノコの下に綿ぼこりが溜まってしまう。温熱を出すためには致し方のないところ。掘りごたつを特注で製作する場合はどうしてもこちらの選択肢になる。

しかし既製品の掘りごたつの場合は、ホットカーペットをこたつ下全面に敷いて、スノコ敷を回避できる商品がある。その場合は足元が補助熱源で、机の裏側にメインの熱源がとりつくタイプになる。佛念寺のクライアントもこちらを希望された。


#DAIKEN#掘りごたつ##和紙畳

ショールームで確認 2

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2箇所目はYKKのショールーム。TOTOと同じ場所で連携して運営されていて、とても便利。設計者としては施主の希望、予算、機能などを総合的に判断して各材料機器のメーカーを選んでいるので、サッシはYKKを第一にしているわけではない。しかし金物の動作機構、断熱性とコストのバランスなどでは今はYKKがおすすめであることは間違いない。

 

サッシは家全体の断熱性能向上の中では効果が体感しやすい場所。窓際の冬の冷気、結露などが生活の中でいつも気になる場所だからだ。リフォームの場合はサッシを2重窓にするのが断熱性能向上では最も手っ取り早い。

 

そんなこともあって、ショールームでもまずはサッシ(とガラス)のグレードによる断熱性能の違いを体感パネルで説明していた。簡単に言えばグレード=コストアップすれば断熱性能は向上しますよ、というもの。とはいえ、予算にも限りがあって今回は住居部分はAPW301を標準として、滞在時間の短い住居以外の部分にはフレミングJという選択。

 

APWとはYKKが最近押している樹脂製サッシ。一昔前のものと比べて耐久性などの基本性能がアップしているので、アルミサッシと同じように外部で使え、かつアルミと比べて断熱性能はかなり上がる。そのなかで標準的なグレードがAPW301

 

住まいの断熱を考えるとき、壁の断熱材だけでなく、開口部の断熱性能を重視しないといけない。ひんやりした空気が足元を常に動いていると不快に感じるもの。

また一言で「開口部」といってもガラス、という大きな面の素材とガラスを支える枠(=障子)に分けられることも知っておいてもらいたい。それぞれに断熱性能の違うものが用意されているので、予算と優先具合に応じてセレクトする。

 

さらにYKKのショールームでは開閉方法、鍵の掛け方、色などもチェックしてもらった。

引き違いの窓に付けられる戸先錠とクレセント錠の違い、すべり出し窓のカムラッチハンドルとオペレーターハンドルの違い、勝手口戸の換気窓の使い勝手など。

 

選択肢のあるものについては、実体験していただいて好みのものを採用したほうがよいですからね。


#サッシ#樹脂サッシ#オペレーター#断熱性#結露#玄関ドア#Low-E#APW

ショールームで確認


庫裏の設計は施工会社に見積もり依頼をし、ようやくひと段落。その間に設備機器などを都内のショールーム巡りして確認してもらいます。
仕上げ材などと違い、機器系はサンプルという訳にはいかないので、山梨のクライアントでも東京に来ていただくことが多いですね。1日ではなかなか終わりませんが、まとめていくつかのショールームを巡れるのが都会のメリット。
この日は最初に新宿にあるTOTO、ダイケン、YKKのショールームへ。
TOTOでは水栓金物、シャワーヘッド、ハーフユニットバス、便器、浄水器を確認。
スプレーパターンが多い、グローエのシャワーヘッドが最初の希望でしたが、水栓はスパウト長さの長い物が良く、TOTOになりました。ヘッドの交換は簡単なので、しばらくはTOTOのヘッドを使うことに決定。
お掃除が楽なのが良い、という奥様の希望と、板貼りのお風呂がいいというご主人の希望を兼ね備える浴槽として、ハーフユニットバスを選びました。四角いバスタブのタイプがちょうど新宿に展示してあり、体験。浴槽は内部に腰掛けてみないと善し悪しがわかりません。どんなタイプでも必ずお連れしたいのですが、在来工法の浴室
の場合は展示が無くて困ることが多いもの。今回はたまたま新宿にだけ展示があり、ホッとしました。
実はハーフユニットには四角いバスタブ形状の他にヒョウタン型のような曲線型タブもあります。ショールームの方の話では、ヒョウタン型は関西で人気なので大阪のショールームには展示があるそう。なぜ関西人は曲線好き?
お次は便器。ウォシュレットのある便座でクライアントが気にしたのが暖房便座の節電機能。TOTOでは便座に学習機能があって、夜間などの使用頻度の低い時間帯には温度を下げる機能があるとのこと。節電のためにわざわざコンセントを抜く必要はないです。

第1回建築委員会

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ず~と温めてきたプロジェクトがやっと公になりました!!
先週末は「佛念寺庫裏建築事業」の第1回建築委員会でした。
パートナー標の故郷である山梨県春日居町の
歴史ある真宗大谷派の佛念寺庫裏の設計監理業務をコネクトで行うことになりました。
ずっとやりたかった仕事の一つ。
今回は手を付けない本堂が建築されたのは
何と享保(8代将軍徳川吉宗)!
建築当時は藁葺だったとか。
その横に寄り添って建てられる庫裏。
共用スペースは地域の場所として、居住スペースは住職家族の場所として、
門徒さん達を交えて、地域に寄り添う、楽しい場所になるように頑張る所存です。
建築委員会は各地域の代表者が集まる会合のため、総勢30名を超えます。
30名の方に計画案を説明することも初めての経験でした。
もっと大きな模型があったほうが良かったかなー。
プロジェクターでも用意したほうが良かったかなー。
などと今後の反省もしっかりしております。
顔合わせをしたことのない方々にうまく伝わっているとよいのですが。
割と多くの質問をいただいたことが、関心を持っていただいている証拠。
修正点を持ち帰って、引き続き検討します。

山梨のお仕事

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川越プロジェクトも佳境を迎えつつある中、山梨のお仕事がひとつ始まりました。
昨日はクライアントにお会いし、ご挨拶。
今後の進め方などをお話ししました。
話し込んでしまい、夜の10時を過ぎてしまいました。
昨晩は山梨事務所、といっても実家なのですが、に泊まり、始発で東京へ。
雨から逃げるように帰ります。
熊本地震の被害が気掛かりですが、こんなときこそ
自分にできることを、いつもの日常を精一杯やろう、と思います。
さあ、川越プロジェクトも追い込みです。もうひと踏ん張り。
写真は山梨事務所のある駅、春日居町駅です。
中央本線の車両にボックスシートが少なくなって、
都会にあるような長い対面式の座席が増えてしまいましたが、
今朝はボックスシートでした。ラッキー。