勝沼の耐震リフォーム01 今あるものを活かす


春先から打ち合わせを重ねてきた、塩山の耐震リフォーム。
計画の方針が固まり、具体的な設計段階に入りました。
今の計画に落ち着くまでに検討してきた過程について、
何回かに分けてお話ししたいと思います。
これまでの過程では、建て替えも含めた多方面からの検討を重ねて、
現在の耐震改修リフォーム+増築という方向性が見えてきました。
まずはご依頼の内容と、現地視察から。
リタイア世代のご夫婦が、高齢になって足腰の弱くなった両親のための空間を一階に用意したい、
というザックリとした相談から始まりました。
現在は2階に住まわれているご両親。
いつ階段から転倒するかわからない状態でした。
そこで、まずは既存の建物を見させていただいてから、どんな可能性があるか、考えましょう。
と、まだ大雪の残る甲府盆地に向かいました。
敷地は旧街道に面する長屋状の短冊地が並ぶところ。
短冊といっても、接道が10m程もある大きな区間が並んでいます。
ブドウ農家の作業小屋が街道沿いに点在し、
カフェや小物を売る小屋に改装されているところもある、魅力ある地域。
ご自宅はというと、真壁木造2階建ての立派なお宅でした。
天井も高く、建具の建て付けも狂いがない。
壊すには惜しいし、いまこの風格の住宅を作るのは贅沢なくらい。
というのが第一印象でした。
聞くと、お父様が今は亡き地元大工と思い入れたっぷりに作ったらしく、
家族全員が残したいらしい。
悩みは北側の居室に光りが入らないことぐらい。
これはリフォームが大前提だろう、という確信はあったものの、
これからの世代のことも考えて、
コンパクトにして平屋に建て替えする案も、一度は考えてみましょう、
ということになりました。

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