山梨事務所ソーラー計画-2 屋根への固定方法

建物に太陽光発電のパネルを置く場所は、もちろん屋根。
屋根といえば、雨や熱から建物と人を守るもの。
特に屋根の防水工事は、材料メーカーから防水保証が出るため
施工方法に関しても細かな規定があり、
屋根の勾配、防水材のかぶり寸法、下地材料などが防水材、屋根材ごとに
あらかじめ決められている。
太陽光のパネルはこの上に固定しなければならないもの。
前回のブログにも書きましたが、現在パネルの固定方法の主流はアンカー方式。
単純にいえば、屋根材に穴を開け、下地の合板や垂木にまで届くような
金属の棒のようなものを差し込んで固定する、というもの。
アンカー工法
穴を開ける?
開けたところから雨漏りするんじゃないの?
というのが建築家の素朴な疑問。
建築家でなくとも、普通に家を作る工務店に聞いても
そりゃあおかしい、そのうち雨漏りするよ、となる。
そうだよな。
トップライト廻りのシーリングだって、年月たって硬化したら
シーリングの再施工をするのが当たり前。
もちろん細心の注意を払って開発された専用のコーキング部材などがあるようですが、
屋根の動き、風雨、熱などでアンカーが動くことを考えると
メンテナンスができるようになっていないと
少なくともパネルが壊れるまで長持ちしないのではないか。
パネルメーカーは認定された工法で取り付けないと保証ができない、
と言うにもかかわらず、屋根への固定はどのメーカーもアンカー方式だけが
カタログに掲載された認定工法になっている。
おかしいんじゃないか。
あと10年もすれば、太陽光発電を付けたがために
雨漏りする事例が多発するんじゃないかと心配でならない。
実際には屋根の防水、漏水は施工会社が保証し、
パネル等のシステムはメーカーが保証するので、
責任の所在は分かれているのだけれど、
認定工法という縛りでメーカーがコントロールをしているのが実態。
と素朴な疑問を持ちつつ、いろいろ問い合わせをしてみると、
アンカー方式ではなく、金物工法というのがあることがわかりました。
一部の金属板、もしくは瓦屋根の場合のみ対応可能なもので、
雪止め金物を元に開発された太陽光パネル専用の金物らしい。
雪止め金物は屋根に積もった雪を地面に落下させないようにするための金物で、
もともと屋根に穴を開けずに施工できるように屋根材メーカーや金物メーカーが
独自に用意していたもの。
下の写真は今回採用する予定のスワローの後付金物。
スワロー後付け金物
屋根下にあるシージングボードのおかげで、一時は取りつけ自体が
不可能かと思われたのが、根本的な疑問も解決する工法に巡り合いました。
しかしここで先ほどの、パネルメーカーの認定工法の問題が再浮上。
金物工法が認定されているパネルメーカーが実に少ない。
国内大手はほとんどダメ。
残ったのは2社しかありませんでした。
サンテックパワーと長州産業です。
次回はパネルメーカーの特徴について書いてみたいと思います。
太陽光パネルは日進月歩です。
LEDと同じで数カ月たったらもう情報としては古くなる世界ですが、
発電量だけではない視点からのお話を。

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