AN10、ランチ

東京都現代美術館の企画展、AN10を見に行きました。
「装飾」をテーマに若手アーティストを集めたもので、妻のススメもあって行くことに。
六本木co-labの頃の知人、野老さんも出ていらっしゃるので、それも楽しみに。
それぞれの作家の表現方法は違うものの、共通していると感じたのはわかりやすさと緻密さ。
美術品を作るために活動しているアーティストだけではないと思うので、
美術館で見る作品なんだけど、身近に感じるものが多かった。
それでいて、よく見ると奥行きの深い表現がしてある。
もちろん装飾だから、と言うのは簡単ですが、実際に生み出すのは苦しい作業だろうな
と容易に想像がつくものばかり。
見ていて飽きない展示でした。
その中で、自分にとっては野老さんのが一番おもしろかった。
動きがあり、影があり、インタラクティブであり。
やはり建築につながるところがあるからでしょうか。
これは一度ご覧になられることをお勧めします。
ところで、現代美術館に行っていつも困るのがランチ。
場所が駅から遠い公園の端にあるので、美術館のレストランを使いたいのだけどちょっと高い。
2件あって、どちらも雰囲気が良くって入りたくはなるんだけど
今回も遠慮してしまいました。

新井薬師 節分会


仕事の合間に近所の節分会をのぞいてみました。人生初の体験です。
寒空のもと、境内に見たことがないくらい人がいっぱい。
予定時間を20分あまり過ぎてからやっと豆まき開始。
豆だけかと思ったら、袋入り、殻付き落花生、はてはミカンまで投げていました。
ミカンはキャッチの瞬間に割れてしまう。あんまり投げるのはどうかな?
夫婦で豆数粒と袋入りを1つ、落花生を2個、ミカン2個をいただきました。
法要された豆だけに、ちゃんとご利益がありそうなので
マンションのベランダからも豆まきしました。
家の近所にこうした場所があると、生活に抑揚がついて少しばかり豊かな気分になれます。
たまたま公園も近くて、子供を連れて週末には通うこともでき、重宝するようになりました。
美術館やギャラリーもいいけど、近場のスポットを楽しむのもまた良し、です。

知人が建築雑誌を作りました

学生のころからの知り合いの新川さんが「pers」という建築系の雑誌を創刊し、
昨日そのLaunch Partyが六本木のLeBainで行われました。
寒風吹きすさぶこの時代にこそ、こういった動きが必要なんだという
彼の心意気を感じたスピーチがありました。拍手!
30日には大阪でトークライブがあるようです。
お近くの方はぜひ。
写真は挨拶をする新川氏と
persの表紙

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コネクト第1号

コネクト一級建築士事務所として第1号の物件が商店建築9月号に掲載されました。
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SpeakEasyという英語学校のインテリアデザインの仕事です。
インテリアデザインといっても、大きな家具のようなパーティションで
空間を仕切っただけで、実は部屋の床・壁・天井にはノータッチ!
でもクライアントの要望を確実にクリアすることのできた、良いデザインです。
エデュケーショナル・ファシリティーズという特集ページに取り上げられていますので、
書店に立ち寄られた際にはご覧ください。

ディアドクター

ここ数か月、映画の日に予定があってまともに映画を見れていなかった。
時間があれば映画の日じゃなくてもいいじゃん、ということで
暇を見つけてディア・ドクターを見に行った。
人間臭いのがいい映画。俳優と役がぴったりしていて、物語に入り込んで見れる。
「素」とか「地」とか「奇をてらわない」とか、そういう映画。
でも映画に求める感動とか高揚感とか、知らない世界を体験したかのような
充足感みたいなものがないのがいまいちでした。
過疎と医療という裏テーマや、地を行くストーリーはある意味
今の日本の現状をそのままを映画化しているような気もした。
稲の上を流れる風の跡とか、棚田の向こうの道を動くバイクといったカットは
心癒された。こういう圧倒的にきれいなカット割りがもう少しあれば、違う映画になったと思う。

北村範史「スカート」展

一昨日の試験の帰りに、早稲田によって北村さんの個展に行ってきた。
北村さんのHPへ
ジメジメした梅雨の日に、とっても心地よい空気感のある作品だった。
作品だけでなく、展示の方法、サインやモビールのオブジェクト、
ギャラリーの場所と町工場をリニューアルした内装、
どれもが違和感なく、たたずんでいるようで気持ちよかった。
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北村さんとは数年前に飲み会の席で同席して、帰る方向が同じだったので
電車内でわずかの時間盛り上がって話をした記憶があって、
まず人間として面白そうな人だなあと思っていた人。
でも言ってみればそれっきりだった。
そんな人から初めてのDMを数年ぶりにもらったら、気になります。
そういうタイミングも良かったな。
ギャラリーのLIFTの内装も、ダムウェーターの穴とか、トグルスイッチとか
地下から1階への狭い吹き抜けとか、古いからこそできる部品や空間を
うまく使っていた。こんなところにあるの?という町工場と住宅が混在する
都会の風景の中にあるのもおもしろかった。
それにしても、北村さんのあの空気感。いいなあ。
すれ違いで挨拶だけでしたが、またお会いできることを楽しみに。

動物園デビュー

夏のような暑い日差しの中、娘を動物園デビューさせるために上野へ。
上野動物園は7年ほど前に行われた看板デザインコンペの下見のために
前事務所の先輩と訪れて以来。休日に来るのはこどもの時以来でしょう。
変わりましたね~動物園。旭山の影響でしょうか。
子供のために来たのに、自分が一番楽しんでいたかも。
ゴリラ・トラのいるエリアはデザイン的にも納得のものでした。P1080940.jpg
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丘の上に登る途中から植栽が熱帯ジャングルに作られていて、
既に雰囲気があり、見学通路もパーゴラ、木ブロックと
見事なまでに南国の風情が出されていて、気に入りました。
動物ではまったのがカバ。
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暑いからか、水中に没していて存在が見えない。
どこどこ?と待っていると、鼻先だけ出したり、
巨大な体が浮いてきたり、
あの巨体で水中寝返り打ったり、
コントラバスのような泣き声をあげたり
行動そのものが魅力的な生き物でした。
あ~また行きたい。

映画の日 チェンジリング

少し前の話ですが毎月一日は映画の日に合わせて、午前中は映画観賞。
自営業ゆえ可能な時間調整です。
夫婦で片方がセレクトし、もう片方は拒否権なしで見ます。
4月は私セレクト。静かな映画が見たかった。
C・イーストウッド監督というのも選択理由。
A・ジョリーが出ているとは知らず、
前回のベンジャミンバトンに引き続き夫婦の作品を見ることに。
母子家庭の一人息子を誘拐され、数ヵ月後に警察から
まったく見知らぬ子が息子だとあてがわれる女性の話。
マスコミと警察が事件の真実を隠蔽してしまい、
それに立ち向かう個人の心の強さを表現している。
作り話ではないので、ある意味予測できるストーリーであり、
ハリウッド的な見せ場が無い。
だからこそ丁寧な作られ方をした映画で、そこが好印象。
A・ジョリーは筋肉を落とし、肉のつき方を変え、
仕草も古い時代の女性らしいふるまいを演じていて、
ところどころ、スゴっと思う演技をしている。
面白い映画ではない。しっかりした映画だ。

最近読んだ本 「郊外の社会学」若林幹夫

「郊外の社会学―現代を生きる形」若林幹夫、ちくま新書649
私が学生の頃に比べて建築家が都市について語ったり、
問題提起をしたりする機会がずいぶん減った。
右肩上がりの経済を背景にした時期には夢を伴って都市を構想することができたからだろう。
現実には法律や経済、そして人間の脳みそが都市を支配していて
あまりに複雑にできあがったものの上に多くの生活が成立していることが
思考停止状態を生み出しているのでは?と思う。
とはいえ、建物を設計する仕事をしていると、たった一つの建物を設計していても
その建物が面している通りから、もっと広い広がりを考えないではいられない。
性分とでもいうのだろうか。
そこで私は一つの方法でこれから都市を考えて行きたいと思っている。
キーワードは郊外だ。
何故か。
自分がそこで育ったから。
もう少し具体的に言うと、団地。
私にとっても都市というものは考えたり、しゃべったりするのは難しいと感じてきた。
それを自分が育った環境から考えればいいんじゃないかと最近は思っている。
前置きが長くなりました。
この本は都市を考える時の一つのツールとしてある、郊外の現実を
具体的に記述しようとしている、ということです。
経済性や商業主義がベースになって作られた郊外に
これからどのような未来を作っていくべきかを知るためには
読んでおくべき本だろう。
だけれど、読み終えてふと思ったのは、
郊外にはない、地域の風土とか歴史、コミュニティって
日本人だからこそ、山、川、風景、気候といった自然のものから
産み出されたものだったろうけど、そういうものがないところで
育った人には、何が規範になるんだろうという疑問。
土地そのものを作っちゃうオランダ人ならどう思うとか。
その時にはやっぱり規範は人間同士が作るしかないと思う。