ちょっと涼みに滝に飛び込んでみました

そろそろ夏バテをしそうな忙しい毎日にも気分転換は必要。お盆の時期になると、朝晩はいくぶん涼しくなって過ごしやすくなりましたが、まだまだ暑い日が続きます。山梨には川遊びができる場所がいくつもあって、近所の滝つぼへ行ったり、ラフティング・キャニオニングといったガイドと一緒に遊べるものまでそれこそ選び放題。

先日は大月までシャワークライミングを体験してきました。渓流の流れの中を自分の手足で登る、というもの。ガイドを予約して、ウェットスーツにヘルメット、ウォーターシューズ、ライフジャケット、軍手とフル装備で出発。道路から見ているぶんには、対岸まで数歩という小川ですが、山合いにある急な流れと岩場のおかげで、隣の人の話し声も聞こえにくくなるくらいの渓流の音がざばざばとする環境。素人が足を踏み入れるのは難しい場所でした。

けれどガイド役の丁寧な手ほどきと、十分な装備に心も開放され、最後には滝つぼにドボン。半日もかからない工程でしたが、気分は見事にリフレッシュ。前日に企画したとは思えない異世界を体験することができました。

帰り道はお気に入りの織水カフェへ。ここは道路からわずか1mほど降りた川の三角州のような場所で、古い水道橋が川の上を通ることでエアポケットのような時間が流れる場所。20mほど離れた川の対岸には大きな木が1本育ち、カフェ以外はこの三角州に建物がないのも驚き。オーナーが手作りした内装に囲まれて、美味しいひと時を過ごしました。

玄関の床をモルタル土間で作って家族の記憶に残るものにしませんか

家づくりに自分たちも参加したい、というお施主さんの気持ちを何とかしてかなえようと考えてみても、現場の進み具合と建て主のお仕事の調整がなかなか難しい、そんなことありませんか。

壁の左官を塗りたい。クロスを貼ってみたい。

ひと部屋の壁を塗るだけでも、初心者には丸一日かかる作業だったりします。それが数部屋となると、会社勤めの方の場合は数日休みを取ることになり、しかも身体は休みよりもぐったり疲れてしまったり。

ただ、家づくりに自分たちの手の跡を付けてもらうことは、ものに愛着を持つのと同じで、できればやったいただきたい作業でもあります。

そんな時におススメなのが玄関やアプローチの床仕上げ。

 

さて、玄関の床、何で仕上げていますか。雨にぬれ、夏も直射日光にさらされるアプローチや玄関の床を何で仕上げるのか。防滑性、耐久性を考えるとそれほど選択肢は多くありません。一般的なのはタイル。石貼りも多いですが、天然石に負けない表情のタイルが多くなって、タイル貼りが多いでしょうか。

施主参加に適した床仕上げはモルタル、コンクリートの仕上げです。

コテで平坦に仕上げたり、刷毛引きをして滑りにくくしたりでき、階段やスロープなどの形状も自由なモルタル仕上げは、ちょっとしたDIY参加にもってこいです。

コネクトが何度か実践したのは、モルタル面にビー玉を埋めて、アクセントとする仕上げ。庫裏のアプローチに施した時は、門徒さんの子供たちにも参加してもらって、ワークショップ的にワイワイと作業しました。部分的な作業ながら、子供にとっては成長した後も、このビー玉は私が埋めたもの、という記憶に残っているのではないでしょうか。

この住宅では玄関内のコテ仕上げ部分にビー玉を施工。まだ幼いこどもだったので、足場から一歩はみ出してコテ仕上げ部分を汚してはいけないと、あまり多くのお手伝いは難しかったのですが、シュークローク内には家族の手形もつけて、成長の記録も付けました。

いつしか次の世代に引き継いだ時にも、記憶をつなげてもらいたいですね。

玄関ホールを生活空間の一部とするためのあれこれ

家の間取りを考える時、廊下を通ってそれぞれの部屋につながることを前提にするのはやめましょう、とよく言われています。「廊下」が本当に必要なのか、無駄な空間になっていないかを一度考えましょう、ということですね。リビングを通って各部屋につながるような配置、間取りができるようであれば、廊下は無くてもいい。

では玄関や玄関ホールはどうするのか。靴を脱がない生活をするならまだしも、下足を脱ぐ場所としての玄関はどうしても無くせません。靴を収納するスペースも玄関廻りに必要です。玄関ホールは小さくても無くせない場所になります。

コネクトでは廊下は極力なくす一方で、玄関ホールは広く確保します。なぜなら、玄関ホールを帰宅時の通過動線とだけ考えず、いろいろな使い方ができる場所にしているからです。様々な事例を紹介してみましょう。

墨モルタルで仕上げたこの玄関は、京都の長屋のように細長く、部屋と並行して配置されています。奥に見えるのが玄関扉で、実は反対側には庭に出るためのもう一つの出入り口があります。まさに長屋の通り土間と同じです。

雨の日には自転車を入れ、雨合羽をいくつかけても大丈夫。リビングからよく見えるように、建具はガラスの框扉とし、横には腰窓を設けています。玄関扉を開けてもリビングまでは見渡せないので、夜も天井の裸電球を灯すことで、リビングの一部として玄関までの広がりを感じられる仕上がりです。

しっとりとした和の雰囲気のあるこちらの玄関は点前右手にある白い4枚引き戸によってリビングとつながっています。つまり、全開放すればこのように玄関がリビングの一部としてつながります。玄関扉は正面右手にあるので、こちらも来客にリビングまでは見通せません。

また写真では少しわかりにくいですが、正面のスポットライトが当たっているところは、自窓から上部の壁までが出窓のようになっています。地窓上枠には奥行に納まるように木製のカウンターが設けられ、わずか12センチ程度ですが、ここを床の間として飾り付けができるようにしてあります。出窓上部にはハンガーレールが付けられ、季節の軸飾りができます。カウンターには一輪挿しからちょっとした花飾りや、置物を置くのもかわいいですね。

こちらの玄関は少し変わった施主の要望から生まれた通り抜け玄関。墨モルタルの玄関の手前側がリビング、そして奥側がダイニングになっています。来客をにはお茶を出したり、お話ししたりするので、基本的にはダイニングにお通しする。反対にリビングは家族だけのスペースと割り切っているので、あえて2つに分割しています。玄関はその間に挟まれるように配置しています。実際の生活では、土間の濡れている部分にスノコが置かれて、家族の行き来もできるような場所です。

写真では扉が収納されていますが、床にレールがある場所に扉があり、玄関とリビング、玄関とダイニング、それぞれを仕切ることができます。真冬や真夏でない限り、通常は開放してお使いいただいている、そんな玄関です。

 

このように、くつぬぎの場所だけではない使い方ができると、玄関が魅力的な場所として生活と寄り添った場所にすることができます。皆さんも工夫されてみてください。

体育館を避難所として使うために空調設備を入れる、その前に

 

熊本で10年に2度目(正確には3度目)の震度7を観測する地震があった。夏の盛りの避難生活は、体育館では冷房などないだろうからどう過ごされているのか、本当に心配になる。

 

この心配は他人事ではない。山梨の新聞でも県内の小中学校体育館がどのくらいの割合で冷暖房が入っているかについて紙面を割いて書いていた。19%。全国平均よりも10%以上低い。我が町に災害が来たら、覚悟しなくてはいけない。

 

月数回、夜に近所の中学校体育館を借りてバドミントンをしていた。私よりも年齢が高い人も多く、夜とはいえ夏の暑さがつらいどころか、身の危険を感じるようになって、今季から少し遠い場所の冷暖房がある体育館移動して、快適になった。ここが自分たちの避難所ならありがたいが、そうではない。

この体育館の冷暖房設備を見て驚いた。もともと冷暖房がなかった施設に後付けをしたのであろう。一般的には2階部分にある点検用の廊下、キャットウォークの下に取り付けることで何とか見た目を保っているが、ここにはキャットウォークがない。壁面から鉄骨の架台を突き出して、壁面にズラッと冷暖房設備が並んでいる。おそらく上段が冷房で下段が暖房だろう。天井が高いので、暖房は輻射熱がメインのセラミックヒーターだろうか。

 

もともと冷暖房設備が設けられる建物として設計されていない体育館は、夏暑く、冬寒いのが通常運転。3~40年前の公立小中学校は学校全体が冷暖房を設けることを前提としておらず、ましてや体育館は天井が高く、冷暖房にはそもそも適していない空間サイズ。さらに「前提としてない」ので、設計者としては、教室棟などに比べて断熱・気密を考慮せずに設計してきた。ハリボテとは言わないが、雨風しのげる程度の外装しか持ち合わせていない。故に都内の体育館を学校開放と称して夜間利用すると、バスケットボールの音などが外部に漏れやすく、近隣苦情につながりやすい。

 

こういった既存体育館に冷暖房設備を入れるのはハードルが高い。ましてや避難所となれば、幼児から高齢者までが数週間から数か月滞在する事を想定せざるを得ず、設備の導入の前に、建物の断熱気密性能をスケルトン改修するくらいの心持ちで取り組まないと、実際の避難所として機能しない可能性がある。単に冷暖房設備を付けただけでは、想定以上に光熱費がかかる、冷風・温風が直接当たるのが耐えられない、冬の外壁結露でカビが生える、といったことは安易に想像できる。

 

文部科学省もそのあたりはわかっているらしく、冷暖房の前に断熱をしっかり、とホームページには謳っているが、どの事例も冷暖房工事よりも断熱工事の方がコストが高くなっている。面積の広い外壁、屋根に足場をかけ、人の手で工事をするのだから当然だ。

 

建物の基本性能は最初から高くしておいた方がいいというのはこういったことからも良くわかる。家づくりも同じ。設備は後から付け替えられるから、耐震・断熱・気密といった建物の基本性能は最初にしっかりお金をかけるべきところだと皆さん覚えておいてください。

 

 

玄関扉を引き戸で作りたいときに配慮すべきこととは

和の生活の良いところを積極的に取り入れたいと考えているコネクトとしては、玄関扉の選択肢はまず引き戸です。お客様を迎える時に、開き戸はどうしても一歩下がる必要があり、心理的に少し遠くなる。これが引き戸だと横に移動させるだけなので、気持ちが途切れない。そんなこともあり、家づくりの設計を始めた20年ほど前は、条件が許せば玄関扉は自由に設計して木製の造作建具で作ることを好んで実践していました。扉の脇にはめ殺しのガラス壁を設けたり、表面に貼る木の材質を何にしようか考えたりと、家の顔ともなるべき場所はその家族にとってのオンリーワンになるように工夫していました。

ちなみに条件とは、敷地に防火地域・準防火地域などの防火地域設定がされていて、延焼の恐れのある範囲に玄関扉が含まれている場合、木製は難しいのです。

時代を経て建物の性能が重視されるようになり、特に開口部には数値で示された高い断熱性能のある樹脂サッシなどが使われるようになりました。玄関扉も例外ではなく、LixilやYKKなどの既製品のエントランスドアからセレクトするだけになることが多くなりました。その時になって既製品のラインナップがおかしいことに気づきました。断熱性能を重視すると、玄関扉では圧倒的に開き戸の方が種類豊富なんです。

引き戸や引き違い戸は昭和スタイルのままのデザインしか選べず、断熱性能も低い。玄関扉に限定せず、「窓」であれば引違いや片引き戸のサッシは一般商品で選択肢も豊富なのに、玄関には新たなラインナップは増えない。これも時代の流れか。家がコンパクトになって、間口の広い玄関、引違いの引き戸がつけられる玄関が減っているので仕方ないのでしょうね。事実私たちも引き違い戸のある玄関は、新築では設計したことがありません。

さて既製品ではなく、造作建具で片引き戸を玄関に設ける場合に配慮すべきことは何でしょうか。次に4点ほどあげてみます。

1 断熱性能は少しあきらめる

造作の片引き建具の場合、上下部分に隙間を設けることでドアがスムーズに動くことができています。全て閉めた状態で作動すれば隙間を埋めてくれるような金物がありますが、それも完全な気密性能を確保することは難しく、玄関扉に高い断熱性能を求めてはいけません。よって玄関ホールの夏は暑く、冬は寒いと自覚しておきましょう。

造作ではなく、断熱性能はしっかり確保したい場合、建築家の伊礼智さんとユダ木工が共同開発された「MIYAMA桧玄関引き戸シリーズ」がおススメ。さすが伊礼さん、かゆい所に手が届くような商品をつくられています。残念ながらコネクトではまだ使う機会が訪れていません。

 

2 沓摺はあえて段差を設ける

引き戸イコール床の段差なく、バリアフリーな出入口、というイメージがあるかもしれません。吊引き戸にすれば実際に段差ゼロの出入り口を作ることは可能です。ただどうしても砂ぼこりやゴミが土間部分に入りがち。わずか5ミリくらいでも良いので段差があった方が室内がきれいに保てます。

 

3 網戸を別途設けるかどうか考える

引き戸の場合、比較的簡単に網戸を設けることができます。プリーツではなく、木枠のある網戸です。もちろん玄関なので、防犯性を優先すれば網戸はアウトですが、一時的な風の通りを確保して、夏であれば遠方から帰宅した時の熱気を逃がす時などに重宝します。人の気配を感じたいから、といってあえて網戸を設ける場合もあるでしょう。

 

4 引き戸ハンドルは経年で緩むと知っておく

これは我が家だけの現象かもしれませんが、築20年以上にもなると、ビス穴が広がるのか、乾燥で木がやせてくるからか、ハンドルは緩んでいます。不便ではないので、問題ない範囲です。扉を開ける時に、固定している方向と直交する力が毎回かかっているので、仕方ないと知っておきましょう。

 

このような配慮事項を事前に知って、納得できるようであれば、造作建具の玄関扉がおススメです。既製品の木目のシート貼りではなく、本物の木を使って、色味もデザインも自由に玄関扉を作ってはいかがでしょうか。

山梨には県立の文学館がある 「かがくいひろしの世界展」は必見です

読書好きの方には一度訪れてもらいたいミュージアムです。

文学に関するミュージアムは太宰治記念館、吉川英治記念館などのように一人の作家を取り上げた建物が多く、文学一般を対象にした総合文学館は多くありません。まして都道府県立の文学に関するミュージアムがあるところはさらに少なく、調べたところ10館、つまり10都道府県。これには福井県ふるさと文学館のように、県立図書館に併設されているところも含まれているので、単独の建物と考えるとさらに少ない。

山梨県には甲府に山梨文学館という建物があります。芸術の森公園の中に、ミレーの所蔵で有名な県立美術館と対をなすような配置で建てられています。二館の間には芝生と森の中に野外彫刻が点在する屋外庭園がある素敵な場所です。

先日この山梨文学館に行ってきました。主たる用事は文学館ホールで開催された表千家支部総会と講習会でしたが、終了後に企画展として開催されていた「かがくいひろしの世界展」に足を延ばしました。

読書習慣から遠ざかっていたので、県立美術館に行くことはあっても、文学館には寄らずじまいでしたが、この企画展は素晴らしかった。だるまさんシリーズの絵本作家、かがくいひろしの原画、スケッチ、手帳などが展示されています。

知らなかったのですが、作家デビュー後4年の2009年に急逝されていました。子供にいくつかの本を読み聞かせしていた記憶のある作家だったので、亡くなっていたことがショックだったのと、わずか4年で16もの作品を発表されていることに感激。絵本作家になるまでの特別支援学校教師時代の話など、よくまとまった内容に惹かれました。この作品たちを世に引き継いでいきたいと思わせる展示でした。2026年9月23日までやっているので是非。

さて文学館の建物は設計が大宇根・江平建築事務所、1989年開館。前川國男が建てた県立美術館の4年後に愛弟子である大宇根氏の出世作に当たる建物。2つの建物で一対になることをしっかり意識したつくりになっています。

外壁にはレンガ調タイルが使われ、ボリューム感のある外観。窓のない大きな壁面も単調にならないように凹凸やタイル表面の違いによって重厚な感じ。タイルは緑に映えますね。

内部も最近ではあまり見ない、大理石がふんだんに使われた内装と、吹抜け上部のボールト屋根。おそらく時間、時代が経ても褪せた感じのない空間ができています。

こんな素晴らしい文学館が山梨にあるだということをもっと宣伝して、誇りに持ちたい、そんな気分にさせてくれる訪問でした。

樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシを適材適所に使い分ける

素材別のサッシの使い方。専門家でなくても知っておいて損はありません。

サッシとは10年ほど前まではアルミサッシを意味していました。ここ数年で樹脂サッシの価格破壊ともいえる普及が進んだため、断熱性能が高く、しかも価格がある程度入手しやすくなりました。今は樹脂サッシで計画するのが正しい選択と考えます。断熱性を少しでも考えるのであれば、アルミサッシはもう古いと言えるでしょう。

とはいえ樹脂サッシが選びやすくなったのは木造の住宅の場合だけ。コンクリート造や鉄骨造用のサッシはまだまだアルミサッシが主流です。木造用のサッシはビスをもんでサッシの枠と躯体を固定しますが、コンクリートや鉄骨の場合は鉄の「溶接」が必要なため、熱に弱い樹脂はまだ開発が進んでいないのでしょう。

また樹脂とアルミとでは素材自体の強度としてはアルミの方が高いため、樹脂で同じ強度を持たせようとすると、可動部分の障子というガラスを支える枠が大きくなって、ガラス面が小さくなってしまうという難点もあります。

他にも樹脂サッシではヨコに数枚のサッシが連続する連窓や、タテに連続する段窓を計画して大きな開口部をつくろうとしても、選択肢が限られてきます。自由度がまだまだアルミサッシには及ばない、ということですね。

三角形や台形の窓、吹抜けに面した大きな窓を設ける場合は、外側はアルミ・内部は樹脂の複合サッシであれば選択可能です。

コネクトでは、断熱性能が高い樹脂サッシを基本としながら、ひとつの家でも設置場所や実現したい開口部の大きさなどによってサッシの種類を適宜選択しています。

写真にあるツラナルノイエの場合は中庭に面した部分に多くのサッシがあり、中庭越しの光を家の中に取り入れています。結果、同じ面積の住まいより枚数の多いサッシが必要とされました。長期優良住宅の認定を確保するため、ある程度高い断熱性能のサッシを採用することが条件となっていたので、多くのサッシを樹脂としています。

一方、中庭に面するサッシは少しでも明るさを室内に取り入れたい、という意向から枠が小さくなる樹脂とアルミを合体させた複合サッシを採用しました。写真にある左側の壁面は樹脂サッシ、右側の壁面はアルミ樹脂複合を使い分けています。

一見するとわからないように、細かな工夫が重ねられています。

ハオルチアに花が咲いた

都内とは違って山梨では窓の外に緑がいっぱいあります。それでも仕事場、それもパソコンのあるデスクの周りなどの手の届く範囲に緑があると癒されませんか。

デスクトップグリーンとして置いているハオルチア玉扇(ぎょくせん)。 ハオルチア・トゥルンカータ。多肉植物のひとつで棘はありません。鉢が手のひらサイズの小ささなので、葉は長いものでも5センチくらい。机に住まわせてからそろそろ2年経ちますが、その間、葉の本数が数本増えたかなという程度で、成長が非常にゆっくりしています。水やりを忘れてしまうこともしばしば。

あまりに変化が少ないので、枯らしてしまったかと勘違いしていたら、先日気づいたら茎を1本伸ばしていました。茎も0.5mmのシャープペンシルの芯くらい細く、触れたら折れそうなくらい。調べてみるとこの茎の先に花が咲くらしい。心待ちにしていると20センチくらい伸びたところで3~4花の可憐な小さい花を咲かせてくれました。

大丈夫だよ、生きていいるよ、と反応してくれたようでささやかな喜びの数日でした。花を咲かせることはエネルギーを使うらしく、あまり長く鑑賞せずに切ることも大事と知り、写真を撮った数日後にサヨナラしました。元気な姿を見せてくれてありがとう。

薪ストーブライフをリアルに楽しむための工夫

薪ストーブのある家に住みたい、火のある暮らしを送りたいと考えている方。アドバイスできることがあります。ここでは6つのポイントを書いてみました。

 

山梨での生活では、冬の暖房を主に薪ストーブで生活しています。寒くなったらストーブに薪を放り込んで火を付ければ、家じゅう暖かい。本物の火は落ち着いてよいものです。と書くのは簡単ですが、実際にやってみるといろいろ大変なことも。

 

今日はコネクトが設計する住まいに薪ストーブを導入する場合、リアルな体験からおススメしている工夫について書いてみます。暖房用の薪はお金で買う人には少し余計な話かもしれませんが、薪づくりから自分で何とかしようとする方が断然楽しいのが薪ストーブライフ。しばしお付き合いを。なお、本文中にある写真の家は、過去の失敗をもとに設計した薪ストーブのある家の事例です。

1 他の暖房設備を必ず用意しておく

エアコンや床暖房などの暖房設備だけでも部屋が暖かくなるようにしておきましょう。薪を部屋に運ぶだけでもひと苦労。年をとっておじいさんになった時、骨折してしばらく動けなくなった時など、体の自由が利かない時のために、薪ストーブは補助の暖房として考えることが大事です。

私も今のところ斧で薪割りをしていますが、いつまで続けられるのかな、70過ぎたらさすがに難しいかなと考えています。

2 天井の高い部屋に置く場合はシーリングファン必須

リビングやダイニングなど人の集まるところに設置する薪ストーブ。素材が鉄板や鋳鉄でできているので、近くに居れば輻射熱で十分暖かいですが、温められた空気は真上に上がります。そして天井が高い場合はどうしても熱が上部にこもります。そこでおすすめなのがシーリングファン。羽根の長い商品を選べば、ゆっくりした空気の対流が起きるので、あまり風を感じることなく上下の温度ムラがなくなります。

私の家では吹抜けのあるリビングにストーブを設置していますが、残念なことにシーリングファンがありません。直進性のある扇風機を1階と2階に置いて、対流させてみたこともありますが、気流が早くて不快なことと、音がうるさいため長続きしませんでした。たまたま1日の居住時間が長いのが2階なので何とかなっています。。。

3 ストーブのカタログを見ながら、同時に薪の調達方法を考えておく

エネルギー源となる乾燥した木材をどう入手しますか。お金に余裕のある方は定期的に宅配してくれるサービスを利用することをおススメします。薪づくりに関してのわずらわしさから解放される、一番の調達方法かもしれません。

自分で薪づくりをしてみたい、という方。どこかから原木を入手し、敷地内で薪割りを行い、乾燥薪を作ろうとすると、少なくとも2年分の薪棚を用意しておきましょう。ただしこの「2年分」というのがどのくらいのボリュームになるのか、ご家庭それぞれで違います。家の断熱性能、1日の稼働時間、寒く感じる温度、などは設計段階でも正直分かりません。無駄に多くの薪棚を作っても、薪づくりが大変だったからという理由で宅配に切り替える可能性があるので、増設できる場所だけ確保して、基本型を1つ2つお造りすることが多いです。

私の住む山梨では、モモの木をおすそ分けしてもらっています。モモは収穫できる樹木になってから10~15年で伐採伐根するので、ご近所数件にお声かけしておくと、毎年十分な量を頂戴しています。ありがたい限り。知り合いには薪に適しているといわれるクヌギやナラをトラックで原木購入している方もいます。樹種によって燃焼時間に差がありますが、地域によって入手しやすい樹種であることの方が大事。すぐに燃え尽きてしまうようであれば、量を確保すればよいのです。Facebookなどのグループを検索して、事前に調達方法を調べておくのも1案です。

4 敷地内の薪動線は短い方がよい

薪棚から薪ストーブまでの距離。他にも原木を車から降ろす場所から玉切りする場所までの距離や、玉切り場から牧割り場までの距離、薪割り場から薪棚までの距離など、1mでも1歩でも短ければ短い方が楽です。薪は乾燥していてもとにかく重いもの。寒い時期には相当量の薪を、外の薪置き場からストーブの近くに運び込まなければなりません。元気なうちは薪ストーブをメインの暖房器具として活用したいのであれば、薪動線をしっかり検討した家づくりがとても大事になります。

我が家で失敗したのは、車から原木を下ろす場所から薪棚までが15mほどあること。家を挟んで駐車スペースと庭が分かれてしまっていて、薪棚付近の庭には車が横付けできないので、原木を一輪車でせっせと運んでいます。運動にはなっていますので、健康には良いかな。

5 薪づくりは安全第一。無理は禁物。

原木から薪づくりをして、敷地内に設けた薪棚で乾燥させようとすると、何かしら道具や機械が必要になります。チェンソーや薪割機といった文明の利器は一歩間違うと大けがにつながるリスクが隣り合わせです。機器のメンテナンスを心掛けることはもちろんのこと、安全装備にも予算を見込んで薪づくりを始めましょう。

山梨では山に立ち入って立ち木伐採をすることなく原木を入手できます。チェンソーの使い方などを動画サイトで勉強していると、林業の方が山や勾配地で伐採されている動画を拝見します。倒れる方向が完全にコントロールできるわけではなく、悲しい事故も多いと聞きます。我が家の庭にある木の枝を落とす場合でも直径10センチくらいになると、脚立が倒れないか、近くに家人がいないか注意して切るくらいです。

チェンソー作業を始めた4年前は、目立て(=チェンソーの刃を研ぐこと)がうまくできなくて、刃を頻繁に交換していました。切れない刃物を使うことの方が危険だと思ったからです。道具のメンテナンスが苦手な方は薪づくりには向いていないかもしれません。

6 コストを考えて導入するのはやまめしょう

ここまでお読みいただいた方は既にお分かりと思いますが、薪ストーブライフはコストを考えて導入するものではありません。炎を眺めること、薪を作ること、ピザや焼き芋をつくることなど身体を動かしてエネルギーを自作する過程が好きな方にお使いいただくものだと考えます。円安・原油高で電気代が高騰したからといってペイできるほど甘いものではないことは確かです。

ただ、一度生活のリズムに組み込んでしまえば、楽しみプラスαの恩恵が帰ってくることも確実です。コネクトの場合は二地域居住で知り合いが少ないなか、地域の方とじかにコミュニケーションできる貴重なツールになっていますし、何より薪づくりで身体を動かすことが健康につながっています。

 

長くなりましたが以上です。薪ストーブライフをご検討の方の参考になれば、何よりです。

山梨県のビル耐震化率がかなり低い 260711新聞記事より

建物は所有者だけのものではありません。ビルに限らず、住まいも商店も、所有者は街並みという景観をつくり、次の所有者に引継ぎができるよう、できるだけ長く使い続けること、という視点・心持ちを持ちたい。また自分が住む近くや通勤通学で通う道すがらの建物に関心を持ち、素敵な建物には称賛を、危険な建物には厳しい目を注ぐことを忘れない。そんな市民でありたいもの。

2026.7.11山梨日日新聞。山梨県内のビル耐震化率に関する新聞記事はそんなことを思わせるものでした。

6月に大月付近を震源とする震度6弱の地震がありました。県内の震度としては東日本大震災時よりも大きかったのでしょう。甲府市内で老朽化したビルの外壁が落下したこともあり、地域の新聞社が耐震化率の記事を一面トップに記載していました。

記事で取り上げている耐震化率とは、避難道路、緊急輸送道路沿いの一定以上の高さがある建物のうち、1981年5月以前に確認申請を出した建物=旧耐震基準の建物のうち、耐震改修が必要と診断されながら未改修である建物の比率。難しいですね。数字が大きいと問題あり、ということです。

記事によると、山梨は75.2%。ちなみに東京は41.1%(東京都耐震ポータルサイト参照)

母数となる旧耐震基準の建物数は山梨が336棟、東京が4829棟。

10倍以上建物がある都内の方が未改修率は低く、問題が少ないという結果。山梨残念。

 

コネクトは2011年頃に東京都の緊急輸送道路沿道建物の耐震化促進のための建物個別訪問の一員として、都内の道路を徒歩で訪問する仕事を行っていました。またその数年後には同じく都内の旧耐震マンション耐震化促進のための個別訪問にも携わっていました。少なからず旧耐震ビルやマンションの耐震化については関わってきた自負があり、こうした記事に目が留まります。

建築基準法の耐震基準は大きな地震が起きるたびに改正されてきた歴史があります。1981年の法改正は3年前の1978年におきた宮城県沖地震の被害を受けて改正されたもの。古いからといって法律に違反しているわけではありません。研究が重ねられた結果である現在の基準にあてはめると、耐震性が低かったという建物な訳です。

記事で取り上げている建物は、民間所有だけになかなか改善がされにくいもの。また法律や条例ができて、補助金が手当てされたとしても自己負担が生じる耐震改修は改修金額が大きく、ハードルは高い。とはいえ東京都の耐震ポータルサイトにある過去の耐震化率を見ると、2011(平成23)年のデータこそないものの、2015(平成27)年12月で72.9%ですから、15年前は今の山梨に近い耐震化率の数字になっているのです。

山梨ではより危険性が高いと判断された建物に甲府市の担当者が直接訪問しているようですが、2011年の東京都の個別訪問の対象は危険性の高低は関係なく、全ての旧耐震建物でした。都、市区町村、建築士の3名以上がチームになって、複数のチームを作って都内をくまなく歩きました。しかもアポなし。今では考えられない思い切ったプロジェクトでした。

2011年は東日本大震災の年。東京都の場合はたまたま大震災が後押して所有者の関心が向いてくれたことがあるにせよ、耐震化を進めるには長期的・継続的な後押しが必要です。山梨では旧耐震の建物の数こそ少ないものの、比率としては15年前の東京と同じなんだといことを、市民としても忘れず関心を持ち、街を見つづけたいものです。